野鳥の生存率を高めているかも知れないナンキンハゼ

ナンキンハゼ

キジバトがナンキンハゼの実を啄む

ムクドリがナンキンハゼの実を啄む

カワラヒワがナンキンハゼの実を啄む

ヒヨドリがナンキンハゼの実を啄む

モズがナンキンハゼの実を啄むかな?

蟹江周辺の土手や沼の脇にナンキンハゼの木が生えています。

日光川ウォーターパークでは用水路脇にナンキンハゼが植樹されています。

秋になって黒い皮が破れて白い実が見られるようになると、ナンキンハゼだとすぐ分かります。

しかもその白い実が木全体につくので、秋の風情を楽しめます。

また紅葉するので公園や街路樹としてもよく使われています。

2020.11.29づけのblog「紅葉と種で存在を示しているナンキンハゼ」で、植樹などで利用されている様子を述べました。

私が小さい時にはナンキンハゼを見かけたことがありません。

実を1つ採って潰そうとすると硬くてとても割れません。

周りの白い蝋が鳥たちの栄養になるようです。

鳥たちに食べられ消化されない種が糞になって、色々な地域に落とされて今の状況になったと思われます。

こうした子孫を広く残す戦略が功を奏しているのがナンキンハゼなのです。

観察していると、ムクドリやヒヨドリは実を食べていますが、他にもキジバト、カラス、モズやツグミも食べている場面を見かけました。

また小さいカワラヒワも実の表面の蝋を齧っている様子を見かけました。

今のところスズメが齧っているのは見かけていません。

この周辺にはセンダンもたくさんありますが、それよりは断然ナンキンハゼの方が多い感じです。

たくさんの鳥たちが、その実を食べて冬を越しているようです。

鳥たちにとっては美味しい実ではないかと思われます。

「野鳥と木の実 ハンドブック」(叶内拓哉 文一総合出版)のナンキンハゼには「実が熟すのは11月頃で茶色く、それが裂開すると中から白っぽい種子が見える。それはじつは種子を覆う皮で、その中に本当の種子がある。種子は人間には有毒と伝えられているが、鳥は平気で採食する。私が採食を観察した鳥はキジバト、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、メジロ、イカル、シメ、スズメ。これらの鳥は毒性に強いのか、毒を中和する機能があるのか、私にはわからない。」と記されています。

多くの鳥がナンキンハゼの実を食べていることが分かります。

ただ小さい鳥たちが体に比して大きな実を飲み込めるかは疑問です。

ナンキンハゼがこれほど広範囲に見られるのは、鳥とナンキンハゼの共生の結果に違いありません。

2月を過ぎてナンキンハゼの実がなっているところもあるし、ほとんどなくなっている木もあります。

この感じだと3月の終わりまで鳥たちの餌となる可能性があります。

ナンキンハゼは鳥たちが餌探しに苦労しないでいられる格好の実ではないかと思ったものです。

本当かなー。

(トウダイグサ科 シラキ属)

カモ撮りこうちゃん