交尾を拒否するモンシロチョウのメス

動物行動学の本を読んでいた時に、チョウのメスは一度交尾すると、次の交尾を拒否すると読んだことがありました。

迫るオスに対して、尻尾(しっぽ)を上げたり下げたりして、交尾を拒否するというのです。

野外で動植物の写真を撮りに歩いていますが、これまでモンシロチョウやモンキチョウでそうした場面を見かけたことはありませんでした。

しかし6月の初旬に、善田川の土手を歩いていると、一面にヒメジョオンが咲いている場所で、何匹かのモンシロチョウが飛び交っていました。

その中に花に止まっているメスに向かって、オスが迫ろうとしている場面に遭遇しました。

そのメスは尻尾を上にあげて、交尾できないように拒否体勢をとっていました。

こうしたことがある筈だと思っていましたが、目の前で実際に見たのはこれが初めてでした。

やっぱりそうなんだというのが感想です。

アブラナ科のキャベツ畑やダイコン畑で、モンシロチョウがあっちに行ったりこっちに行ったりと飛んでいる様子を見ることがあります。

モンシロチョウのメスが産卵するために飛んでいるとばかり思っていたのです。

確かにそういう場合もあるのですが、もう一つオスがメスをサナギから羽化するのを待ち受けているのです。

羽化したばかりなら、交尾を拒否しないでしょうから。

モンシロチョウのオスもメスも、色々な戦略を立てながら子孫を繋ごうとしているのですね。

私はキャベツ畑で、ひらひら飛んでいるモンシロチョウを見ると、なぜか頑張れと掛け声をかけてしまうのです。

カモ撮りこうちゃん