ツマキチョウに出会う

春になると見られるモンシロチョウやモンキチョウは長期間にわたって見かけることができます。

というのは何回も蛹になり羽化を繰り返すからです。

しかし春の短期間だけ羽化して、その後はずっーと幼虫や蛹のまま暮らすチョウの中にツマキチョウがいます。

春の妖精(スプリング・エフェメラル)は、春の短期間だけ花が咲いて、その後1年は地中でじっとしている植物のことをいいます。

例えばカタクリ、ショウジョウバカマ、フクジュソウ、キバナノアマナなどです。

昆虫の中にも、春の短期間だけ羽化や孵化した成虫が産卵した卵が、幼虫や蛹のまま翌年の春まで暮らしているものがいます。

私はそれらも春の妖精といっても良いのではないかと常々思っています。

昨年日光川の土手で、一瞬ツマキチョウが飛んでいるのを見かけましたが、上手く写真は撮れませんでした。

今年の4月の半ばに、永和駅の沼近くの雑木林で、飛んでいるツマキチョウを見かけたのです。

モンシロチョウよりは小さく、小さくはばたきながら直線的に飛ぶ特長を持ったチョウでした。

幼虫の食草はタネツケバナ、イヌガラシ、ショカッツサイ、小松菜などのアブラナ科の仲間で、卵をうみつける先はそこら中にあります。

そして2週間も経たないうちに見かけなくなってしまいました。

このチョウのオスの翅の先端部は黄色い紋があり、飛んでいても目を引きます。

翅の裏側は薄緑色のまだら模様で、これもなかなか美しいと感じさせます。

メスの翅の先端部が黒いので、モンシロチョウと間違えそうですが、体長が小さく、はばたきが小さいので見慣れてくるとすぐ区別できます。

このチョウも羽化し始めはオスばかりで、メスを見かけることはありませんでした。

私の経験では、どの種もオスとメスで羽化する時期がずれているのではないかと思っています。

来年の春ツマキチョウにまた出会えることを期待しているところです。

カモ撮りこうちゃん