サクラのスルガダイニオイ(?)の香りはとても良いぞ!

スルガダイニオイのいろいろ

最近サクラを知りたいと思うようになりました。

サクラといえばソメイヨシノで、開花予想の標本木はどこもソメイヨシノで行われています。

それがサクラだと思っていました。

天童の舞鶴山にあるサクラの古木は花が小さいのです。

住んでいる団地の用水路脇の日本三大桜である根尾谷も淡墨桜の子孫のサクラも花が小さく、ソメイヨシノよりも早く花が咲き出します。

それがエドヒガンで、昔からあるサクラらしいのです。

平安時代から詠まれているサクラには、ヤマザクラがありますが、江戸時代に見られたサクラの多くはエドヒガンだったのではないかと思われます。

「木を知る・木に学ぶ」(石井誠治 ヤマケイ新書)には「日本に分布するサクラは大陸起源といわれています。自生は9種。都会で目にする野生種は、オオシマザクラ、ヤマザクラ、エドヒガン、マメザクラ、カスミザクラ、エゾヤマザクラ。山に行かないと見られない野生種は、チョウジザクラ、ミヤマザクラ、ミネザクラ。これに台湾に自生するカンヒザクラを入れた10種が日本で普通に見られる野生種です。~中略~ 野生種のオオシマザクラにはもう一つ特徴があります。葉にクマリンを作る酵素があり、塩漬けにするとクマリンの香りがしてきます。クマリンの香りは桜餅の香りです。他の種類のサクラの葉には酵素がないため、塩漬けにしても香りはしません。他の野生種との交雑品種では葉から香りはしませんが、オオシマザクラどうしでの受粉なら葉の香りは維持します。島という特殊な環境を生き延びるために獲得したさまざまな変化は、変わりやすいというオオシマザクラが持つ性質のたまものです。その結果、オオシマザクラ系のサクラから八重咲き品種が出現し、香りの強い品種、早咲きの品種など変異のあるサクラが誕生しています。」と記されています。

先日福原輪中の船頭平河川公園にムラサキサギゴケの写真を撮りに行きました。

先端の土砂浚渫船が係留してある近くを歩いていたら、その雑木林にサクラが咲いていました。

その一つの花を採ろうと近づいたら、とても良い香りがするのです。

とても驚きました。

エドヒガンでもソメイヨシノでも香りは全くしていません。

採ってきたそのサクラを自宅の机に置いておくと、だんだん萎びてきているのに香りがずーっとしているのです。

「サクラハンドブック」(大原隆明 文一総合出版)をみて、スルガダイニオイではないかと予想しています。

きっとこのサクラはオオシマザクラ系のサクラに違いありません。

「趣味の花図鑑」には「オオシマザクラ系サトザクラ・グループ。花に芳香のある匂い桜の中でも特に香りが強い桜です。花期がソメイヨシノより遅く、4月中旬~下旬です。花色は白~極淡紅色。葉縁には浅い鋸葉があり葉先は尾状に尖る」となっています。

私が出会ったサクラは、今のところスルガダイニオイではないかと考えています。

こんな匂いのサクラがあるなんてというのが、私の感想です。

(バラ科 サクラ属)

カモ撮りこうちゃん