今年も春になって4羽のタカブシギを見かけた

今年春に見かけたタカブシギの4羽

タカブシギのあれこれ

春になると飛島村の水を張った田んぼでシギの仲間を見かけるようになります。

といっても大きな群れで来るわけでもなく、せいぜい数羽の数の場合が殆どです。

ここは藤前干潟が近いので、そこを経由して南から北の繁殖地に向かうシギたちが立ち寄っていくのではないかと推測しています。

その中にタカブシギがいます。

大きさはそれほど大きくはなく、イソシギやクサシギ位の大きさです。

「日本の野鳥」(叶内拓哉 安部直哉他 山と溪谷社)では、体長がクサシギ22㎝、タカブシギとイソシギが20㎝となっています。この三者は似ていて、なかなか区別するのが難しいのです。

名古屋付近では、イソシギは留鳥、クサシギは冬鳥、タカブシギは旅鳥ではないかと思っています。

タカブシギの繁殖地はユーラシア大陸、カラフト、カムチャッカ半島などとなっています。

前述の本には「旅鳥。関東以南でごく少数が越冬する。水田、湿地、河川、湖沼、池など。海水域に入ることはほとんどない。数羽から10数羽の群れで行動していることが多く、1羽でいることは少ない。体を上下に動かしながら歩き回って、水深の浅い場所で水の中を嘴で探り、泥地では地表を探って、昆虫類、甲殻類、軟体動物などをとる。」と記されています。

飛島村で見かけた時は4羽でした。

その後の数日見かけています。

その様子をフェイスブックの鳥見サークル(鳥情報交換サイト)に投稿しました。

すると「愛知県の沿岸部の干拓地ではエリマキシギやクサシギと一緒に越冬する個体が沢山いますよ。どういう訳か、この冬はクサシギとタシギ、干潟ではハマシギが極少数越冬しただけで、越冬シギの少ない冬でした。」「シギが越冬できる条件として、冬の湿田や水路が凍らないことが第一です。愛知県では私のフィールドでは養鰻が盛んなのでここで暖められた排水が出ます。余程寒くならなければ湿田や水路は凍りません。前述のシギの他にもオジロトウネンや秋に飛来があればヨーロッパトウネン、オオハシシギなども越冬します。ただ、近年は秋冬の水田で麦や大豆への転作が多くなり、湿田の環境が少なくなっていることで、淡水シギ類の越冬が少なくなっています。その点では飛島や鍋田など庄内川や木曽川沿いの方が淡水産のシギの飛来は多いように思います。」と反応がありました。

そこで私が「飛島村も大型機械による農業で、年によって一面がコムギ畑になったりして湿田がなくなっています。このままではシギ類も棲息できないのではと心配しています。住んでいる蟹江周辺も都市化が進んで、自然環境が年々破壊されていく感じです。そこで自分なりに動植物について記録しておこうと考えているところです。」と応えました。

この4羽のタカブシギは越冬したものかどうかは分かりませんが、少なくなっているのは事実のようですね。

(チドリ目 シギ科) 

カモ撮りこうちゃん