水を抜かれた天童の原崎沼に行ってみた

水が抜かれた原崎沼

近くの山元沼のマガモたち

水があった時の原崎沼

3年振りに天童を訪れたので、定点観測地だった原崎沼に行ってみました。

通っていた沼はもう1つあって、それが山元沼です。

山元沼に寄ってから山沿いの道を通って原崎沼に行っていました。

山元沼と原崎沼との直線距離は1キロぐらいでしょうか。

2021.12.28づけのblog「カモの越冬地の原崎沼の水が抜かれたらしい」で昨年10月に沼の水が抜かれたと書きました。

地震で堤防が決壊する恐れがあるので補強工事をするというのです。

それに「日本野鳥の会」が反発している様子が記事に載っていました。

そこで知人に車で山元沼と原崎沼に連れて行ってもらいました。

先の山元沼ではマガモの群れを見かけました。

数は多くありませんでした。

しかも水が退いて沼が小さくなっていました。

在住時代もコガモやマガモを見かけていましたが、昔の数と違いがありません。

知人の1人が「原崎沼のカモが、この山元沼に避難してきているとニュースで聞きました。」と話してくれました。

水辺に近づくとマガモの群れは一斉に飛び立って、何回か沼の上空を旋回してから飛んでいきました。

どこに飛んで行ったのか分かりませんが、戻って来ませんでした。

原崎沼に行ったのだろうと思ったのです。

次に原崎沼に行って、車を停めてから遊歩道を歩きはじめましたが、沼の水は全然ありません。

草茫々でした。

沼の南西にあったハスが随分範囲を広げているようです。

工事中の北側の堤防は随分高くなっているようでした。

水を抜いて1年ほど経っているのですが、完成している気配はありません。

ここで越冬していたカモたちはどこに行ったのでしょう。

天童と寒河江の間を流れる最上川に行っているのではないかと予想しています。

蟹江周辺でカモを観察していると、カモたちは北帰行して、その地で営巣・産卵・育雛してまた日本に越冬のために帰ってきます。

その主な理由は、地球の地軸が23.4度傾いているので、北緯66.6度以北は冬至を挟んで数か月は真っ暗になるからです。

そこにいたくてもいられないのです。

私はこれまでカモたち(ハクチョウやガンなども)は寒さを凌ぐために日本に来ると考えていましたが、そうではないようだと考えるようになりました。

しかもカモの雑種の観察から、同じ群れが同じ場所に越冬に来るようなのです。

つまりカモたちは保守的な越冬戦略を採っています。

カモの寿命を考えると、原崎沼のカモたちが3~4年ほど沼に来られないなら、これまで来ていたカモの群れは原崎沼にはもう来なくなるでしょう。

親に連れられてやって来ていたヒナたちは、親が死んでしまうと原崎沼を越冬地の場所だとの学習ができないからです。

早く工事を終えて沼の水が入ることを願うばかりです。

カモ撮りこうちゃん