12月14日にアキアカネを見かけた

12月14日 石にとまるアキアカネ

12月14日 枯葉にとまるアキアカネ

枯葉が積もる農道

アキアカネ

今季初の寒気団が日本列島を襲い北海道、東北、北陸では大雪になっている冬型配置の強風の日でした。

そんな中で永和の丘になっている雑木林南側の農道でアカトンボを数匹見かけました。

アカメガシワの枯葉が埋め尽くし、風を遮って日当たりの良い農道はトンボやチョウにとっては絶好の場所です。

でもキタキチョウは強風のためか全く見かけませんでした。

アカトンボは枯れ葉や石の上にとまって体を温めていました。

寒いと変温動物である昆虫類は太陽の陽射しを受けて、体温を温めようとする行動をとります。

このアカトンボもそうしていました。

このアカトンボはアキアカネだと思われます。

蟹江周辺で見かけるアカトンボの仲間(アカネ属)にはナツアカネ、コノシメトンボ、ノシメトンボやアキアカネなどがいますが、いつも最後まで見かけるのはアキアカネです。

これらのトンボを同時期に見かけることがあっても、少しずつずれながら見かけているように思います。

それにしても12月半ばの寒さが厳しくなってアキアカネを見かけるなんてと思ってしまいました。

「日本のトンボ」(尾園暁 川島逸郎 二橋亮 文一総合出版)でアカトンボの成虫の出現時期を見ると、ナツアカネは12月初旬まで、コノシメトンボも12月初旬まで、ノシメトンボは11月初旬まで、アキアカネは12月初旬までとなっています。

アキアカネばかりでなくナツアカネ、コノシメトンボもアキアカネと同じ12月初旬まで見られるようなのです。

ナツアカネやコノシメトンボも永和の雑木林でも見かけていましたが、11月中旬過ぎには見かけなくなりました。

12月初旬まで見かけて良さそうなのに見かけなくなりました。

今回見かけたアキアカネは発生時期の終わり頃の成虫だと思われます。

この時期では個体維持することが精一杯で、繁殖には貢献できないでしょう。

田んぼに水はなく産卵場所もありません。

また寒さで体温も下がって、活動自体が難しいのです。

チョウやトンボを観察して思うのは、成虫の発生時期が数か月に亘ってずれがあることです。

少しずつ発生してきて大量に発生する時期があり、そしてだんだんと少なくなっていくのです。

発生時期が正規分布しているようです。

発生の始めと終わりの時期には、繁殖相手には出会えないことが一般的です。

自然はそうした戦略をとって、種の保存と継続を目指していると思われます。

そう考えると、個体レベルの生き死には関心がないように思えてならないのです。

自然はこうして動植物に相当に厳しい世界を与えているのだなぁと思ってしまいました。

(トンボ科 アカネ属)

カモ撮りこうちゃん