テントウムシが木の幹にたくさん集まっていた

山形市高瀬で見かけたナミテントウ

蟹江周辺で見かけたナミテントウ

11月初旬に山形市高瀬の奥羽山脈の麓の山道を歩いていたら、1本の広葉樹の幹にたくさんのテントウムシが集まっていました。

近くを飛んでいるものもありました。

こんなに1か所に集まっているテントウムシを見るのは初めてでした。

2022.5.1づけのblog「テントウムシには益虫と害虫があるらしい」を書きました。

人間にとって困る園芸植物に被害を与える害虫と、園芸植物につくアブラムシやカイガラムシを食べてくれる益虫があることを示しました。

ここの命名は人間の利害関係から生じたもので、本来テントウムシに責任はないことは言うまでもありません。

でもテントウムシといっても食性がかなり違うことが分かります。

小さい頃からテントウムシといえばナナホシテントウを想い浮かべていました。

実際に叢で見かけるテントウ虫には7つ以外の紋を持ったテントウムシがたくさんいます。

本にはナミテントウという名前で、それらのテントウムシを呼んでいます。

「ナミ」というのは普通だということと思われ、多く見られるテントウムシのことを意味しているのでしょう。

小さいときアゲハチョウと呼んでいたアゲハを、最近ではナミアゲハという人たちがいます。

これも普通よく見られるアゲハということのようです。

ウィキペディアのナミテントウには「コンチュウ目テントウムシ科の昆虫。単にテントウムシという和名もある。和名の通り日本やアジアでは多くの地域で普通に見られる代表種で、天敵製剤としての研究も盛んだが、もともと分布しなかった多くの国でも外来種として拡大しており、問題となっている。年二化。成虫は集団で越冬する。気温が高くなると夏眠を行う。多くの種類のアブラムシを捕食するジェネラリストで、幼虫も成虫もアブラムシを食べる。アブラムシ類が寄生するさまざまな植物に見られる。色や斑紋に変化が多く、紋のないものから19個のものまでいる。2~4紋型は九州方面に多く、19紋型は北海道・東北・日光地方に多い。紋の少ないものは黒字に赤もしくはオレンジ色の紋、紋の多いものはオレンジ色の地に黒い紋、紋のないものはオレンジ色である。」と記されています。

私が見かけた木の幹に集まっていたテントウムシはナミテントウで、これから集団で冬眠する直前だったのかも知れません。

山形では12月初旬から雪が降り始めたようなので、今頃は幹の穴や木の皮の裏などで冬眠に入っているのではないかと思われます。

またナミテントウの紋は東北では紋の数が多いようですが、今回のナミテントウでは2~4型のテントウムシも多数見られました。

小学館の「昆虫図鑑」には2紋が東京では55%、京都では64%、福岡では84%と図示されていました。

この結果からみると、どの地区でも2紋が優勢で、西に行くほどやや漸増していくというだけで、他の紋が2紋より優勢という訳ではなさそうです。

これを見て高瀬で2紋が多いことに妙に納得してしまいました。

(テントウムシ科 テントウムシ族 Harmonia属)

カモ撮りこうちゃん