アンポ柿はカキの種類ではないらしい

紀州のアンポ柿

蟹江周辺のカキ(シブカキだと思われる?)

知人から和歌山県産のアンポ柿が送られてきました。

単なる干し柿の一種だと思っていましたが違うらしいのです。

箱の中の口上書には次のことが書かれていました。

「『和歌山のあんぽ柿』は、日本有数の柿産地、和歌山県の農家が心をこめて作ったたねなし柿(渋柿)を添加物や保存料などを一切使用せず、ひとつひとつ丁寧に皮をむき、風味豊かに仕上げた一品です。あんぽ柿は外はもっちり中はとろりととろけ、渋柿とは思えない上品な甘みが楽しめることから 和菓子の原点ともいわれています。特に大粒のものを選びました。お手先に届きましたら冷蔵庫または冷凍庫で保管してください。冷凍庫の場合は、半解凍状態でお召し上がりいただくと、シャーベット感覚でお楽しみ戴けます。解凍後はお早めにお召し上がりください。 ※あんぽ柿の表面の白い粉は、カキの糖分の結晶です。 ※柿は「ごま」(=タンニン)が多いほど甘くコクがありおいしいといわれますが、あんぽ柿の表面に時々見られる黒い斑点も同様のものです。品質には問題ございませんので安心してお召し上がりください。」と記されています。

アンポ柿の県別の生産量を調べようとしましたが、載っていませんでした。

地域別では福島県、山梨県、新潟県なども産地として散見されましたが、生産量の統計はなされていないようです。

和歌山県が特別の名産地ではなさそうだったのです。

ウィキペディアには「あんぽ柿は、渋柿を硫黄で燻蒸した干し柿である。ドライフルーツの一種。福島県伊達市梁川町五十沢で大正年間に開発された。渋柿を硫黄で燻蒸して乾燥させる独特の製法で作られる。~中略~ あんぽ柿は、半分生のようなジューシーな感触で、羊羹のような柔らかいのが特徴。硫黄は乾燥中に揮発するため毒性はない。カリウム、ビタミンなどの栄養素を豊富に含んでいる。原料は主に、蜂屋柿(はちやがき)や平核無(ひらたねなし)などの渋柿を使用する。蜂屋柿は大粒で柔らかく、平核無は小粒で甘味が強いのが特徴である。~中略~ JA全農福島が扱ったあんぽ柿は2010年度で1231トン。~中略~ あんぽ柿のおかげで、東北地方の他の地方の農村と比べると、生産地の伊達市・伊達郡などでは冬期に都会に出て土木作業に携わる出稼ぎ労働者は少ない。」と記されています。

アンポ柿は製法の違いで、福島県伊達市が生産の中心だったのですね。

山形の啓翁桜と同じに冬の出稼ぎをなくす原因ともなったようです。

カキを甘くするには、干し柿にする、リンゴやドライアイスを使う、アルコールにつけるなどの方法がありますが、私の知人はヘタを焼酎につけてビニール袋に入れて、東京の弟さんに送っていたと話していました。

アルコールがアセトアルデヒドに変わり、それが渋カキのタンニンにくっつくとタンニンが不溶化して渋みを感じなくなるのです。

アンポ柿の主生産地は和歌山県などの関西ではないようです。

そんなことが分かりました。

(カキノキ科 カキノキ属)

カモ撮りこうちゃん