ギフチョウには誰でも惹かれてしまうと思う!

名和昆虫博物館のギフチョウ

ギフチョウの食草のカンアオイ

東郷林道の奥で撮ったヒメギフチョウ

ヒメギフチョウの食草のウスバサイシン

先日の東北南部の旅で、最後にいわきにも寄りました。

昔一緒に仕事した知人とお酒を飲みながら話をしました。

彼の仕事のこと、小さい頃自宅周辺の田んぼや川で魚捕りしたこと、チョウを追いかけたことなど話してくれました。

特にチョウは殊の外興味があるようで、コムラサキなどのチョウもよく知っている風情を感じました。

彼が別れ際に「いつかギフチョウを見てみたいんです。」と話をしました。

私は以前岐阜公園内の名和昆虫博物館で飼育箱に入ったギフチョウを見たこと、自然にいるギフチョウを探しに出かけたものの、未だに見かけていないことを話しました。

中日新聞(2019.3.1)には「その美しさから『春の女神』とも呼ばれるギフチョウが二十八日、岐阜市大宮町の名和昆虫博物館で羽化した。一日から一般公開される。一八八三(明治十六)年、昆虫学者の名和靖氏が現在の岐阜県下下呂市で発見。中部地方では三月下旬から四月半ばに見られるが、同館は『シーズン前に生態を知ってもらいたい』と飼育ケースの温度を調節して早めに羽化させている。二百匹のさなぎのうち二匹が羽化。黒と黄色のしま模様に赤、青、オレンジの紋が入った鮮やかな羽を優雅に広げた。明治から四つの元号にわたって県民の誇りとなっているチョウも、環境省指定の絶滅危惧種に。『平成最後』の春を一足早く届ける姿に見入ったスタッフは『次の時代も美しく舞い続けて』と願う。」と記されていました。

私は東北でヒメギフチョウを何度も見かけていること、カタクリの花にぶら下がって翅を開いて吸蜜している様子を話しました。

その光景が忘れられないとも話をしました。

ギフチョウとヒメギフチョウの区別を、今回まとめておきますね。

①生息域と食草

ギフチョウとヒメギフチョウは住み分けていて、ギフチョウが本州の中央(ホッサマグナ)から西、ヒメギフチョウはその北で北海道でも分布している。

幼虫の食草はギフチョウが主にカンアオイ、ヒメギフチョウがウスバサイシン。

分布境界線をリュ―ドルフィアライン(ギフチョウ線)と呼んでいる。

②形態的特徴など

ギフチョウの方が大きく、ヒメギフチョウは小振りである。

小さいことからヒメという名称がついたとのこと。

前翅の縁の黄色の斑紋の列がなだらかな弧を描くのがヒメギフチョウ、一番先がカクンと一つだけずれているのがギフチョウ。

後翅の縁の斑紋が赤橙色なのがギフチョウ、黄色なのがヒメギフチョウ。

後翅の突起が長いのがギフチョウ、突起が短いのがヒメギフチョウ。

ギフチョウは翅全体が黒く感じるのに、ヒメギフチョウは黄色く感じる。

③食べ物

日当たりのよい林地をゆるやかに飛翔しカタクリ、スミレサイシン、ショウジョウバカマ、フデリンドウ等の背丈の低い草からサクラ、リンゴ、スモモやタニウツギ等も対象にしている。

ギフチョウやヒメギフチョウには、なぜか人を惹きつける不思議な魅力があると感じるのは私だけではなさそうに思ってしまいました。

(チョウ目 アゲハチョウ科 ギフチョウ属)

カモ撮りこうちゃん