ケリの子育て(育雛)の大変さを知った!

春にはほとんどの鳥が営巣・産卵・育雛をします。

鳥の中でその様子がよく分かるのはこの辺りではケリではないでしょうか。

昨年ケリのヒナをほとんど見かけませんでした。

今年は住んでいる住宅近くの水田で数日前にケリのヒナを見かけました。

春になって飛島村の田んぼの農道を走ると、ケリが飛んできて威嚇してきます。

車のフロントガラス前まで飛んできて、さっと反転していきます。

窓を開けていると中まで突っ込んでくるかと思う程ですが、そこまではしてきません。

その威嚇の声が大きく「キーィ、キーィ」という甲高いのです。

車を止めるとそばまでやって来て、その甲高い声で威嚇しながら、羽を広げて背を低くして攻撃体勢をとっています。

顔も明らかに怒っています。

ケリに限っては顔つきから怒っているのが分かります。

そうしたケリの威嚇行動は、どの時期から始まるのか不思議です。

抱卵中かヒナがいるからかと思うのですが、いくら探してもヒナを見かけないのです。

かなり早い時期から威嚇してくるので、番いで縄張りを決めたときから威嚇行動をしてくる可能性があります。

蟹江新田の田んぼでハトの群れが採餌しているとき、ハトを追いかけ回していました。

まだ営巣するには早すぎる時期でした。

団地近くで見かけたケリの親子を観察すると、いろいろなこと分かります。

この田んぼの脇にガマが生えた叢があり、そこで営巣したようです。

ヒナは4羽いてその田んぼの中を歩き回りながら、餌探しをしています。

親はその田んぼに降りて常に警戒しています。

危険があるとけたたましく警戒音を発します。

威嚇音とは全く違います。

するとヒナはじっと動かなくなったり、急いでガマの生えている叢まで避難していきます。

場合によっては、親のケリは激しく鳴きながら人やカラスを空中から威嚇して追い払おうとします。

頻繁に親が警戒音をだすので、ヒナたちは一旦は動きを止めたり避難しているものの、すぐ動き出し餌探しをし出します。

ヒナの好奇心は旺盛で、何でも突いてみて餌かどうかを確かめています。

1羽のヒナはドジョウを見つけて突き回していたものの、最後には食べてしまいました。

ケリの親はヒナの様子をいつも見守っています。

ヒナがそれぞれ勝手に動き回るので、コントールはできずにただ見守るだけのようです。

でも危険を感じたり休憩したいときには、ヒナは親のところに駆け寄ってきて、羽の下に潜り込みます。

ヒナを抱え込んでいるかどうかはケリが中腰でいることで分かります。

ヒナが飛べて移動できるまで、2か月間くらい育雛行動が続きます。

こんな粘り強い子育ては私にはできないだろうなと思ってしまいました。

ケリの子育てから人間も見習うべきものがあるように思えてなりませんでした。

(チドリ目 チドリ科)

カモ撮りこうちゃん