春に身近に見かけるアブラナ科のタネツケバナ

春先の畔道や水田跡にタネツケバナを見かけます。

オオイヌノフグリは叢(くさむら)で、タネツケバナは水田跡に咲くイメージです。

春に一斉に白い花を咲かせますが、晩秋から既に葉が少しずつ出て準備をしています。

小さなタンポポの葉のような形に見える羽状複葉です。

冬の間に見かけたときにはタネツケバナとは分かりませんでした。

私はバカの一つ覚えで「花弁が5枚ならバラ科、4枚ならアブラナ科」と思い込んでいます。

春にはアブラナ科の植物が多いようです。

ナズナ、ダイコン、アブラナ、イヌガラシ、イヌナズナ、ショカツサイ(花ダイコン)などがアブラナ科の仲間です。

昔は4枚の花弁を持つ花があることに驚いたのですが、だんだん馴染んできて、タネツケバナが一面に咲いている光景を見ると、春を感じるようになってきました。

花の様子はナズナと同じですが、実の付き方が違います。

ナズナは小さいころからペンペングサと呼んでいました。

その実の様子が三味線の撥(ばち)の形に似ているからです。

因みにトビの尻尾の形も「撥(ばち)型」と言われ他のタカと区別する目印になっています。

タネツケバナは長い棒状の実をたくさんつけます。

実のつきかたを見るとナズナとタネツケバナの違いは一目瞭然です。

蟹江周辺ではナズナよりはタネツケバナの方が断然多い感じです。

ウィキペディアでは「七草がゆの際には、春の七草のナズナと間違えられる例もある。果実の形が違うので判別は難しくないが、別に毒はないし食べられるので間違えても実害はない。」と記されています。

スーパーで売られている七草がゆ用の食材の中に、タネツケバナの葉が紛れ込んでいる可能性があるかもしれません。

タネツケバナの由来はなぜか気になっていました。

「2018mirusiru.jp」には「アブラナ目 アブラナ科 タネツケバナ属 花期3月~4月 結実期4月~5月。田んぼ周辺などやや湿った場所に好んで生える一年草(越年草)。名はイネ(稲)の種籾を水に漬けて発芽を促す“芽出し”をする時期に咲き始める花の意。~中略~ 有毛。ただし毛の量は個体差大きい。茎(の特に下部)は紫色を帯びる。※全草緑色の場合はオオバタネツケバナをまず疑いたい。頂小葉は側小葉より大きめ。側小葉は数多く、四対以上。」と記されていました。

日本の稲作と絡んだ命名なのですね。

畑の野菜のタネツケ時期なのかと思っていました。

ところでタネツケバナの種にはいろいろな属があるようです。

細かい違いはまだ分かっていません。

家の北側の庭にもタネツケバナが咲いていましたが、オオバタネツケバナかも知れません。

 (アブラナ科 タネツケバナ属)