思っていたより遅く来るオオジュリン

冬になると日光川河口のヨシ原でオオジュリンを見かけます。

ヨシ原には単子葉植物の仲間も生えており、種をたくさんつけています。

観察しているうちにヨシ原や土手は食べ物の宝庫だと思うようになりました。

12月中旬からオオジュリンがいないかと歩き回っていたのですが見かけませんでした。

1月に入ってオオジュリンの小群がヨシ原を飛び回っているのを見かけるようになりました。

予想より時期が遅いように思いました。

11月末には来ていると考えていたのです。

北海道で繁殖しているケースもあるようですが、ユーラシア大陸から来るオオジュリンの行程を考えると、11月末に来るには繁殖地を9月末か10月初旬には出発していなければならないでしょう。

育雛して幼鳥が渡れるようになるには際どい時期かもしれません。

前に書きましたが、オオジュリンはとても面白い習性を持っています。

ヨシの茎にとまりながら、盛んに茎を齧るのです。

その齧った茎の一部を剥ぎ落として茎の髄の部分の何かを食べています。

その部分は裸になってしまいます。

ヨシの茎のカイガラムシなどを捕っていると言われています。

今のところ、オオジュリンが地上に降りて昆虫を食べている場面を見ていません。

茎を齧る労力とエサになるカイガラムシを捕れる可能性を考えると費用対効果(コスパ)は断然低いと思われてなりません。

なぜこんな習性なのかとても不思議です。

繁殖地でもこんな習性だとしたら繁殖も難しかろうと思ってしまいます。

「日本の野鳥」(叶内拓哉 安部直哉他 山と渓谷社)では「留鳥(漂鳥)。繁殖期以外は小群で生活するものが多い。繁殖期は草や灌木で、主に昆虫類を採食する。越冬地ではアシ(ヨシ)原に生息し、アシの茎から茎へと移動しながら、嘴でアシの葉鞘を剝がしたり、茎を割って中にいるカイガラムシ類などを捕食することが多い。」と記されています。

またウィキペディアには「食性は雑食で、種子、昆虫類等を食べる。アシ等の茎に縦にとまり、葉の鞘を剥がし中にいる昆虫類を捕食する。また地上を跳ね歩きながら餌を採食することもある。」と記されています。

また稲刈り後のひこばえが出穂すると、それを食べるために水田に集まることもあるようです。

飛島村の金魚養殖池周辺でオオジュリンを見かけたことがあります。

ひこばえの出穂時期だと思われます。

冬のヨシ原のオオジュリンの習性しか知らなかったのですが、他の季節では異なる行動をしている可能性があります。

一事が万事だと思い込んでいたことが誤りだったようです。

(スズメ目 ホオジロ科)

カモ撮りこうちゃん