自宅で産卵したベニイトトンボで気がついたこと

数年前からベニイトトンボが自宅の庭の水槽で羽化していますが、今年は7月7日までに1ペアが産卵しているだけです。

何年もトンボを観察していてシオカラトンボ、コシアキトンボなどオスの方がメスより羽化する時期が早い感じがしています。

縄張りを作ってメスが来るのを待ち受けます。

その頃になってメスが羽化し始め、成熟してフラフラ飛び回ってオスの縄張りに入り込むと交尾・産卵が起こるのではないかと思われるのです。

今年はベニイトトンボを6月15日に見かけました。

それはオスでした。

その後何匹かのベニイトトンボがとまっているのを見かけてましたが、それもみなオスでした。

メスらしいものは見かけませんでした。

7月7日現在では、プランターのプラスチック水槽ではヤゴの抜け殻がいくつも見られますが、庭にいるのはオスの数匹だけです。

他のベニイトトンボのオスが隣の家のフジバカマの葉にとまっているものもあります。

メスは見当たりません。

羽化したばかりで尻尾が透明のベニイトトンボの中には、尻尾が太くメスではないかと思われるものがいましたが、自宅と隣家の庭では見かけていません。

メスの習性からどこかに行ってしまった可能性があります。

これから7月末から8月初旬までがベニイトトンボの羽化の最盛期なのでメスの数が増える可能性があります。

それまで待ってみようと思います。

それにしてもオスは、オス同士の縄張り争いやメスが来るのをじっと待っていなければなりません。

メスが来る保証は全くないのです。

身につまされる気分になります。

産卵中のベニイトトンボのペアが産卵しているのを見かけました。

連結してある場所から別の場所に産卵しながら移動していきます。

移動のタイミングはどうなっているのだろうと前から気にかかっていました。

これまではオスが主導権をとって判断していると思っていたのです。

ギンヤンマの産卵ではそう見えていました。

ベニイトトンボの産卵を観察していると、メスが埋め込み産卵し終わると、曲げていた尻尾を真っ直ぐ伸ばすのです。

すると前のオスは飛び立って別の場所に移動していました。

産卵し終わったかどうかはメスしか分かりません。

他の場所に移動するには、その情報をオスに伝えなれければならないはずです。

ベニイトトンボではメスが尻尾を伸ばすことで、ここでの産卵は終わったとオスに伝えていると思われます。

刺激と反応、それがまた刺激となって行動が連鎖していく、そんな行動系列がある筈だと思っていたのですが、メスの尻尾を伸ばす行動はその一部なのではないかと思われます。

するとオスが主導権をとっていると思われるギンヤンマの場合でも、こうしたサインをメスが出している可能性があります。

今度からよく観察して見ようと思います。

本当かなー。

(イトトンボ科 キイトトンボ属)

カモ撮りこうちゃん