クロイトトンボの交尾態と埋め込み産卵 その2

トンボの産卵の仕方には色々あります。

卵を空中からばら撒くシオカラトンボやアキアカネなどのトンボ、卵を植物の枯れ茎などに埋め込むギンヤンマやイトトンボの仲間など、トンボによって違いがあります。

卵をばら撒くのと埋め込むのでは、どちらが子孫を繋ぎやすいか。

埋め込みの方が確実な方法だと思われます。

埋め込み式を採用している連結態は、少しずつ場所を変えながら産卵していきます。

イトトンボの仲間の多くは、埋め込み型産卵をします。

その場合でもクロイトトンボやセスジイトトンボのように連結して産卵するものとアジアイトトンボやアオモンイトトンボのように単独で産卵するものがあります。

ただ連結産卵するものでも、場合によっては単独で産卵する場合があります。

基本的にはそのトンボたちは交尾態(丸く繋がる)になって、オスの副性器から尻尾の先にメスが精子を受け取らなければなりません。

その後産卵行動に入ります。

クロイトトンボはメスとオスが繋がると交尾態になりますが、丸くなって飛翔している様子を見ることがあります。

その後ある場所にとまってじっとしています。

交尾態に時間をかけて精子を受け取るトンボには、シオカラトンボなどがいます。

15分くらいじっとしています。

ギンヤンマも時間をかけると思われますが、時間の長さを確認していません。

コフキトンボやチョウトンボはほんの一瞬空中で交尾態になったかと思うとすぐに離れてメスは産卵し出します。

この弥富市「こどもの国」の池のクロイトトンボは、葉にとまって長時間とまっていました。

始めはじっとしていましたが、そのうちメスが尻尾を動かして、精子を尻尾に送り込む動作をし始めました。

オスもそれに合わせて動いているように思えるのですが、どちらがどの主導権を取っているかよく分かりませんでした。

その後クロイトトンボは連結態になって飛翔して、池の上に浮いている枯れ茎や水草の上にとまって、埋め込む産卵をします。

傍で見ていると、尻尾の先で茎に埋め込んでいる様子が分かります。

前で繋がっているオスが立ち上がって、翅を開いていることもあります。

同じ産卵場所に、何組かのクロイトトンボのペアが来て、産卵しています。

イトトンボといっても単独か連結かで産卵行動に違いがあります。

どうしてこんな違いがあるのかとても不思議です。

自然が色々な産卵方法を試しているのかも知れませんね。

(トンボ目 イトトンボ科 クロイトトンボ属)

カモ撮りこうちゃん