早すぎないか、ギンヤンマの産卵!
ギンヤンマは私の子どもの頃の想い出と繋がっています。
ギンヤンマの発生は尾張周辺では7月下旬から8月が最盛期で、その後10月初旬まで見かけることができます。
見かけた時期でこれまで一番早かったのは4月28日でした。
見始めと見納めの時期には、ギンヤンマの数も当然少なくなって、子孫を繋ぐ営みができるとは思えないのです。
6月26日飛島村三福の金魚の養殖場跡で、今年初めてギンヤンマの連結産卵を見かけました。
春を過ぎてギンヤンマが飛んでいるのをときどき見かけていましたが、最盛期ほどの数は当然いません。
交尾相手のオスとメスそのものが少ない中で、よくお互いを見つけ交尾し産卵できたと感心してしまいました。
他で書きましたが、今年は5月中旬にシオカラトンボが産卵する光景を見かけました。
考えている産卵時期より早く、アイチノカオリの田植え前の水田での産卵でした。
その時も驚いたのですが、このギンヤンマの産卵時期の早さにも驚いてしまいました。
ギンヤンマの発生の最盛期は7月下旬から8月ですが、産卵された卵がヤゴになって羽化することが繰り返されると、子孫はそのだんだんその時期に羽化することが固定されてくると考えられます。
だから4月や9月末から10月に産卵するギンヤンマの卵は淘汰されていくのでしょう。
その時期では交尾する相手がいないからです。
そこでギンヤンマの子孫全体の羽化する時期が一定期間に定まってくるのかも知れません。
逆にギンヤンマの卵の羽化の時期が余りに一定化されてしまうと、寒暖の違いなどの環境の変化で全滅してしまう可能性もあります。
そんなことを考えると、羽化する時期のバラエティもある程度持たなければなりません。
ほとんどの卵は最盛期に羽化するように、他の卵は時期をずらして羽化するようにという戦略なのかもしれません。
今回のこの時期に産卵しているギンヤンマの子孫は、来年早めに羽化する可能性があります。
このギンヤンマの親は最盛期に羽化するバラエティの端にあった卵なのか、本来早めに羽化するギンヤンマの子孫だったのかは分かりません。
早い時期に産卵されたギンヤンマの子孫は、それが繰り返されれば同様に遺伝的に固定化されたギンヤンマの子孫として繋がっていくことも考えられます。
でも交尾相手が少ないことから難しいのではないかと思われます。
自然の原則なのか神の意志なのかは分かりませんが、子孫の一部を犠牲にしても次の世代を繋いでいければ良いという思想があるように思えてなりません。
一種の保険なのでしょうね。
ギンヤンマの早い産卵を見て、そんなことを考えてしまいました。
(トンボ科 ギンヤンマ属)
カモ撮りこうちゃん