ヌートリアはやっぱり害獣なんだろうな!

小麦畑で新芽を食べるヌートリア

冬の宝川土手近くで見かけたヌートリア

ヌートリアのいろいろ

1月半ばに弥富市宝川の土手を歩いていたら、その下の用水路を挟んだ向こう側の叢でヌートリアが青草を食んでいるのを見かけました。

周りが枯れ草になっている中で、冬でも緑色の草が生えているのは稀なのですが、懸命に食べていました。

恐らく単子葉植物か、越年草の仲間ではないかと思われます。

その数日後に同じ土手を歩いていると、その近くでまたヌートリアを見かけました。

先日見かけたヌートリアなのかなと思いましたが、どうだか分かりません。

この近辺を縄張りにしているのでしょう。

この宝川下の用水路では、あちこちで一年中ヌートリアを見かけるので、この一帯に棲息しているいつも見かけるヌートリアではないでしょうか。

ヌートリアは害獣と考えられています。

というのは、水路や池などから入り込む土手などに巣を作って、それも長い巣なので、その結果土手が決壊する原因になると考えられています。

また草食性で野菜類や田んぼの植えて育ち始めたイネを根こそぎ食べてしまうので、農家の人にとっては迷惑な存在です。

ただヌートリアにしてみれば、自分の生き方をしているに過ぎないのです。

益獣や害獣の概念は、人間の都合で決められているに過ぎません。

野菜やイネは、人間の都合で作られている園芸植物です。

それを食べるヌートリアは害獣で駆除しなければならないと考える発想は、人間本位のものです。

ヌートリアは南米から第二次大戦中に毛皮をとるために、移入されてきたもので、今の被害が出る原因を作ったのは人間そのものなのです。

戦後に野外に逃がした結果、それが増えて日本の自然環境の中に定着してしまったものです。

今のところ、静岡県から西日本までで、東北や北海道までには至っていないようです。

宝川の土手を歩いていたら、用水路の向かい側にあるコムギ畑で二匹のヌートリアがコムギの葉を食んでいました。

この冬の季節に、コムギの葉はご馳走に違いありません。

数年観察していると、立春を過ぎて太陽高度が高くなって、光量が増えると途端にコムギの生長速度が速くなる印象があります。

その頃までが食べ頃だといっても良いでしょう。

春先のエサがない時期に、コムギ畑の緑の葉は、ヌートリアが冬越しする際の貴重な食べ物になっていると予想されます。

ヌートリアは害獣なのかどうか、色々考えていくと悩んでしまう自分がいることに気がつくようになりました。

(ヌートリア科 ヌートリア属)

カモ撮りこうちゃん