「ホトケノザなのに、ホトケノザでない」ってどういうこと?

このタイトル、何か珍問答のように聞こえますが真面目な話なのです。

ホトケノザはシソ科の植物で、茎が四角い特長を持っています。

私は茎が四角いかどうかでシソ科かどうかを判定しています。

ヒメオドリコソウ、シソ、オオバ、ジュウニヒトエ、カキドオシなどはみなシソ科です。

皆さんも周りの植物の茎を触って調べてみてください。

シソ科の植物の多くは、香りが強いものが多いようです。

ハーブの仲間のミントやラベンダーもシソ科です。

シソ科の植物の多くは薬草として昔から使われてきました。

東北では野山を歩いても、シソ科のホトケノザをほとんど見かけませんでした。

春のサクラの頃に東京に出かけた時、皇居の乾(いぬい)門辺りの土手で、ホトケノザを見つけました。

東京には咲いているんだなぁと思ったことが想い出されます。

蟹江では周辺を歩くと、そこら中にホトケノザが咲いています。

ホトケノザは春に花を咲かせる植物だと思っていたのに、9月を過ぎると咲き始め11月にはそこら中で咲いています。

秋から翌年の初夏まで、いつも咲いている感じです。

とても驚きました。

私はこのシソ科のホトケノザが、春の七草の1つとずーっと思っていました。

「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ、これぞ七草」と謳われていて、正月七日に七草粥を食べると無病息災でいられると伝えられています。

でも見るからに、ホトケノザはゴワゴワした感じで美味しそうではありません。

調べてみると、春の七草のホトケノザはキク科のコオニタビラコです。

私は混乱してしまいました。

シソ科のホトケノザは天辺に柄のない葉が周りを取り囲み、その上に花が立ち上がって連座に座る仏様の風情を醸し出しています。

シソ科特有の茎に葉がでているところが段になっているので、サンガイグサとも言われています。

キク科のコオニタビラコがなぜホトケノザと言われるのかは正確には分かりません。

ただタンポポと同様に冬には葉が地面に張り付いて広がったロゼット状になっています。

踏まれても強く、冬の陽射しを一杯に受けられます。

ロゼット状の葉から茎が垂直に出て花が咲く様子から、昔からある地方ではホトケノザに見立てられた可能性があります。

それが春の七草のホトケノザだったのではないかと思われます。

全くの推論に過ぎませんが、明治~大正期に活躍した「植物学の父」と呼ばれた牧野富太郎たちが、シソ科の植物をホトケノザと命名したのではないかと思っています。

今の七草粥に入れる七草は室町時代の始めには、既に入れられていたようです。

その歴史経過によって、春の七草のホトケノザは昔のままのコオニタビラコが使われているのではないかと思われます。

これが「ホトケノザなのに、ホトケノザではない」という理由になります。

ほんとかなー?

(シソ科 オドリコソウ属)

カモ撮りこうちゃん