難敵のひっつき虫、ヤブジラミに出会った!
ヤブジラミの花と実
群生しているヤブジラミ
叢を歩いていると、ズボンや運動靴そして靴下にひっついてくる植物があります。
特に秋口になるとアレチノヌスビトハギが、秋の終わりになる頃にはコセンダングサの実がひっついてきます。
これらがひっつくと手で払っただけでは取れないので、大抵は道路上に座り込んで一つずつ根気よく取り除きます。
いつも20分以上かかっています。
時にコセンダングサの実は、先端部が刺のようになっているので、それがズボンや靴下の下の皮膚に突き刺さるのでかなり痛いのです。
被害の程度からすると一番の難敵かも知れません。
昔はオナモミなどのひっつき虫で遊んでいたのですが、最近はその数はめっきり少なくなってしまいました。
夏にはアレチノウリ、チカラシバ、チヂミグサなどが皮膚に刺さったりして被害を受けています。
ところが春から梅雨時にかけて、新しいひっつく植物に出会いました。
叢に入ったら、ズボンや靴下、運動靴の周り、そして運動靴の紐にもびっしり引っ付いているのです。
小さいオナモミのような感じですが、ひっついているのを取り除くのが大変です。むしり取るような感じで取り外します。
その植物がセリ科ヤブジラミ属のヤブジラミです。
「日本の野草」(林弥栄編 山と溪谷社)には「野原に多く生える越年草。茎は直立し枝分かれし、高さは30~80㌢になる。葉は2~3回羽状複葉で長さ5~10㌢、羽片は細かく分裂しやや厚く、両面にあらい短毛がある。複散形花序を数個だし、さらに小散形花序をつくり、小さな白花をやや密に開く。花弁は5個で内側に曲がる。果実は褐色で卵状楕円形で、刺状の毛が密生し、先端はかぎ状に曲がり、動物に付着して種子を散らす。花期 5~7月 生育地 野原 分布 日本全土」と記されています。
このひっつく仕組みは、かぎ状に曲がって動物の毛にひっつきやすくできていることです。
オナモミと同じ仕組みです。
私のズボンや靴下にひっついたものは、緑色で未熟な実でした。
でもがっちりとひっついていて取り除くのはとても大変でした。
このがっちりひっついたヤブジラミの実がどうやってはずれるのか疑問なのです。
枯れてくるとそのかぎ状のものが破壊されるのでしょうか。
それともかぎ状の部分は動物の動きによって脱落するようにできているのでしょうか。
がっちりひっつくのは実の拡散には適していますが、それがある時点で外れる仕組みがなければ、遠方に運ばれても意味はないように思えてなりません。
そんなひっつき虫の仕組みもいつか分かるだろうと期待しているところです。
ヤブジラミはこれまで出会ったひっつき虫の中でも、最強の部類に入るだろうなと思っているところです。
本当かなー。
(セリ科 ヤブジラミ属)
カモ撮りこうちゃん