コシアキトンボが樹間や樹上で飛び交う不思議

羽化して間もないコシアキトンボが飛び交う

コシアキトンボのオスとメス

交尾態、オスのせめぎ合い、メスの産卵

小さい頃8月の半ば過ぎに、道路の上空を何匹ものウスバキトンボが飛び交っているのを見かけました。

そのとき何故だろうと思ったのですが、深く考えることなく過ごしていました。

でも何匹ものウスバキトンボが同じ場所を飛び交っているのは、考えてみると不思議な光景です。

そんな疑問を持つようになってきた頃、今度は6月半ば過ぎにコシアキトンボが群れて飛び交っているのを見かけるようになりました。

ウスバキトンボのように道路上の開けたところではなく、樹間や樹上の上を飛び交っている場合が多いのです。

この時期にはいたるところで見られます。

先日大きな樹木の脇の佐屋川の水面上でたくさんのコシアキトンボが飛び交っていました。

昨年も同じ場所で飛び交っていたのです。

飛び交う場所が同じというのは、飛び交う場所に何か条件があるのではないかとも思われます。

でも今のところその理由は分かっていません。

2022.6.5のblog「コシアキトンボで不思議だったこと」でも書きましたが、ウスバキトンボの腰の黄色いのがオスで、白いのがメスだとずーっと思っていました。

でも時間経過に伴って、黄色から白色に変化してくることが分かるようになりました。

その樹間や樹上で飛び交っているコシアキトンボはみな腰の色が黄色いので、羽化してから時間が経っていないトンボだと思われます。

ウスバキトンボも道路上を飛び交っているのは羽化して間もない未成熟なトンボだと思われます。

他に同様に飛び交うトンボには、チョウトンボやアキアカネなどがいます。

アキアカネは午後の2時~3時頃になると叢の上を何匹かが飛び交っています。

「日本のトンボ」(尾園暁 川島逸郎 二橋亮 文一総合出版)には「ギンヤンマを中心としたヤンマ科、エゾトンボ科、ヤマトンボ科の多くの種、さらにムカシトンボは、早朝や夕方に、活発に摂食飛翔する。これは『黄昏(たそがれ)飛翔』として古くから知られており、かつては全国各地で、ヤンマの群飛が観られたといわれている。慣れれば、飛び方やシルエットだけでも種の判別が可能となる。」と記されています。

トンボが飛び交う状況は一概に同じものと考えることはできないということですね。

コシアキトンボやウスバキトンボがなぜ羽化して間もないのに飛び交うのかは、今のところ分かっていません。

オスとメスのそれぞれの性識別の確認する機会の場にとしてある可能性もあります。

どのトンボもコシアキトンボのように飛び交うかといえば、そうではありません。

よく見かけるシオカラトンボ、コフキトンボ、ショウジョウトンボが飛び交っている場面は見たことがないのです。

その違いがどんなことによるのか今のところ分かっていません。

これから先分かると良いなぁと考えているところです。

カモ撮りこうちゃん