秋にキタキチョウが集団吸水している理由が分からない

集団吸水するキタキチョウ

コセンダングサの蜜を吸う

晩秋から春先の間に見かけたキタキチョウ

蟹江周辺ではキタキチョウを1年中見かけます。

冬も成虫で過ごすので好天の日にはたびたび見かけます。

南方系のチョウで、日本の四季のリズムに合わせた産卵・幼虫・羽化を繰り返す生態になっていないのかも知れません。

このキタキチョウは秋の9月半ばから10月に入ると、道路上や泥地、牛糞置き場などで集団吸水しているのを見かけます。

他の季節には全く見かけません。

日長や気温の低下の変化を感じとって、こうした行動をとっている可能性があります。

山形市の高瀬地区でもこの集団吸水を見かけたので、地域性によるのではないと思われます。

この集団吸水しているキタキチョウはオスだけらしく、確かに翅の色が濃い黄色なのでオスだと分かります。

観察していると単なる吸水しているようには思えないのです。

泥地や獣糞などでの吸水が多いように感じるからです。

夏にアゲハチョウやアオスジアゲハが吸水しているのを見かけます。

この場合は暑さに対して水分補給をしていると思われる行動です。

庭の水槽の水面で吸水しているアオスジアゲハを見かけたこともあります。

でもキタキチョウの吸水行動は暑さ対策ではないようです。

もう秋になっていることと、泥地や獣糞での吸水が多いことを考えると、例えば有機物や無機物(カリウムやカルシウムなど)を採るため吸水しているのではないかと思うからです。

アサギマダラのオスがフジバカマで吸蜜するのは、性フェロモンを作るアルカロイドを摂取するためだと言われています。

秋のこの時期になると多くの植物の花が終わりかけ、花の蜜を吸えなくなります。

夏にクサネムの花でキタキチョウが吸蜜している場面を見かけましたが、秋には枯れてしまいます。

その後はコセンダングサが花を咲かせますが、観察していると、キタキチョウはコセンダングサとの親和性がとても高いと思われます。

単なる仮説でしかありませんが、キタキチョウのオスはこうした有機物や無機物を摂取して、他の季節ならいろいろな花の蜜で得られた性フェロモンの材料を、地面に下りて仕方なく吸収しているのではないかと思うのです。

1年最後の交尾をするための準備としてです。

ではオスが集団で吸水するのかが次の疑問になります。

他のオスの性フェロモンを嗅ぎとって、そこに惹かれてオスが集まってくるのではないかと思うのです。

メスばかりでなくオスへのフェロモンの作用です。

集団吸水している場所を人が通りかかるとチョウたちは飛び立って逃げますが、少し経つとまた戻ってきます。

結果的に性フェロモンの材料を手にすることができます。

これらは単なる仮説でしかありません。

ただこの季節に集団吸水するのは単なる水分補給でないことは明らかだと思うのです。

みなさんはどう思いますか。

カモ撮りこうちゃん