アオメアブの交尾態を見かけた!

アオメアブの交尾態

アオメアブ

小さい頃、真夏の暑い時期になると、叢の草の葉や茎にとまっているアブを見かけていました。

アブは少年時代の夏の場面の光景の中に含まれています。

アブを捕った記憶もないし、詳しく観察した記憶も余りないのですが、トンボを追いかけている光景の中に、そのアブがなぜかいるのです。

アブを見ると夏の暑さを思い浮かべるので、私の中で暑さの象徴としての存在かも知れません。

そのアブは眼が緑っぽかったのでアオメアブではないかと思います。

同じ大きさの別のアブは尻尾に白い房があり、シオヤアブではないかと思います。

小さい頃は理由もなく、大きなアブは危険だと近寄らなかったのです。

何十年も経って蟹江に戻ってから、夏になってこれらのアブを見かけました。

同じ種のアブが何十年も幾多の世代を繋ぎながら生き抜いて存在していることに、なぜか感激してしまいました。

昆虫エクスプローラ(昆虫図鑑)のアオメアブには「大きさは20~29㎜、時期は6~9月、分布は北海道・本州・四国・九州・沖縄。黄褐色で、美しい緑色の複眼を持ったムシヒキアブの仲間。脚は黒色で、すねの部分が鮮やかな黄褐色。草原や林の周辺で見られ、甲虫やハエ、アブなど、他の昆虫を捕まえて体液を吸う。」と記されています。

全国的に生息していて、小さい昆虫などを捕らえているようです。

先日愛西市の福原輪中内の船頭平公園の駐車場脇の叢で、アブの交尾態を見かけました。

近寄ってみるとアオメアブでした。

木の葉に掴まっているのはオスだと思われますが、掴まえられてメスはぶら下がっています。

私が近づいて行ったので、交尾態のアオメアブは飛んで、近くの単子葉植物の茎に止まりました。

トンボでもチョウでも同じですが、交尾中は離れずに、しかも長時間交尾したままのものが多いようです。

但しトンボではシオカラトンボやギンヤンマは長く、コフキトンボ、ショウジョウトンボなどは一瞬の場合があるので、トンボについては必ずしも長いとは言えません。

チョウについては、モンシロチョウやシジミチョウの交尾は長く、危険のままの状態でいることになります。

子孫を繋ぐことも命懸けなのですね。

ところが家に帰ってパソコンに取り込んでみると、その交尾態になっているオスの口にはハチか何か獲物を咥えていたのです。

驚きました。

個体維持と種族維持活動を同時にしているのです。

その生きる姿勢に何か教えられるような気分になりました。

本当かなー。

(ムシヒキアブ科 アオメアブ亜科)

カモ撮りこうちゃん