バカの一つ覚えのサクラのツボミから出る花柄の数と葉の蜜腺
1つの蕾から何本もの花柄を出すサクラ
葉柄に蜜線があるサクラ
サクラの蜜を吸うメジロ
サクラの蜜を吸うヒヨドリ
サクラの花が咲き始めると春がきたことを実感して嬉しくなります。
蟹江周辺ではカワズザクラ、エドヒガン、ソメイヨシノという順番で咲いていくようです。
高校1年生の担任は生物担当のM先生でした。
M先生の最初の授業で、サクラの花と葉を持ってきて、花の構造やその特長などを説明してくれました。
今となってはどんな内容だったかはまるっきり覚えていないのですが、サクラを使った授業だったことだけは鮮明に覚えているのです。
後年になってサクラの花が満開になるのを見ると、木が花で埋もれてしまいそうになっています。
咲く前のツボミの数は、それほど多くありません。
それなのに花がたくさん咲くのは何故なのか不思議だったのです。
私は長いこと、一つのツボミには一つの花が出てくると信じ込んでいました。
ウメでもモモでも同様です。
ところがサクラときたら、同じ1つのツボミから花柄を3~5本も出して花を咲かせるのです。
ツボミが割れて花柄を出している数を調べてみたことがあります。多くのツボミは3本のものが多かったのですが、時々は5~6本も出しているものがありました。
それらが一斉に花を開いたら、それこそ豪華爛漫という程になるだろうなと思ったものです。
またサクラの花は基本的に下向きに花が咲きます。
だからヒヨドリやメジロなどが逆さになってサクラの蜜を吸っている場面を見かけます。
その光景がまた美しいのです。
サクラの葉の葉柄には蜜腺があります。
林などを歩き回っていて、葉の蜜腺があるかどうかでサクラか、サクラでないかを判断しています。
「植物記13 サクラの蜜腺 Nature Log」には「サクラのなかまには、おもしろいことに葉柄や葉身の基部にも蜜腺がある。その位置や形は種類によって異なるが、いづれも若葉のうちは蜜を出す。身近なサクラから葉を採取して、基部辺りを探してみれば、すぐ見つけられるはずだ。丸い突起のようなものがふたつ並んであるのがわかるが、これが蜜腺。ソメイヨシノの葉をいくつか観察すると、1個しかなかったり、左右の位置がずれていたり、中には4個あるものがあった。」と記されていました。
サクラの葉柄の写真を撮りにいったら、葉柄近くをアリが歩き回っていました。中には蜜腺に取りついているものも見かけました。
夏になると他の木の仲間の葉も繁っていて、どの木の仲間かなかなか分からないのですが、バカの一つ覚えで「葉の葉柄に蜜腺があればサクラのなかま」という規則性にすがって、区別しています。
サクラといえば風情を楽しむ対象であるばかりでなく、他の植物とは異なる面も持っている木のようです。
(バラ科 サクラ属 )落葉高木
カモ撮りこうちゃん