またまたベニイトトンボが共食いしていた!

8月13日に見かけたベニイトトンボの共食い

ベニイトトンボのオス

ベニイトトンボのメス

ベニイトトンボの連結態のいろいろ

8月13日に自宅の庭の水槽付近で、またまたベニイトトンボのオスがオスを共食いしていました。

これまでの観察からは、体長が小さいものがエサの対象になる可能性があると考えていたのです。

今度狩られていたのは、同じくらいの大きさでした。

ここ数年庭で発生しているベニイトトンボは、6月初旬から9月上旬に見かけますが、8月下旬になると余り見かけなくなります。

その頃オスだけしか見かけなくなります。

それでもときどき連結態になっているものも見かけるので、少しはメスもいるのでしょう。

これまでの観察から交尾態や連結態で産卵しているのをよく見かけるのは、7月半ばから8月初旬の間が多いようです。

その前後ではその数は少なくなります。

庭にはオスのベニイトトンボばかりが目立っていて、縄張りを作っています。

8月13日を過ぎてから、連結態のベニイトトンボは1組だけ見かけました。

その後は見かけていません。

そろそろベニイトトンボの生息期間が終わりかけているのです。

この時期は繁殖期の終わりだけでなく、エサになるハエや小さなアブなども見かけなくなります。

そんな中、縄張り争いでオス同士が争っている最中に、相手を餌として狩ってしまう可能性があるかも知れません。

オス同士の縄張り争いの攻撃性が餌を狩る本能へと転化する可能性です。

一般的に動物は同種の動物を狩るという行動を制御する仕組みがあるといわれています。

ライオンでもオオカミでも、同種間の激しい闘いがあっても、死に追いやることをしないのが普通です。

例えば負けた方が首を垂らすと、攻撃意欲が減退するという仕組みがあるようなのです。

ライオンがライオンの肉を食べたという話は聞いたことがありません。

今回のベニイトトンボの共食いでは、狩られてしまったオスの尻尾の色が少し褪せていました。

成熟し終わって死に近づいていたオスかも知れません。

今度は狩ったベニイトトンボはとまりながら、頭と胸ばかりでなく尻尾の方も食べようとしていました。

途中で咥えたまま飛び去ってしまったので分からないのですが。

前回はメスのベニイトトンボが小振りのオスを共食いしていました。

今回はオス同士で体長も同じくらいです。

成熟が終わって死に向かっている可能性があるオスでした。

同じ共食いでも、オスとメスでそのメカニズムが異なっている可能性もあります。

同種間で共食いするとは、オスの縄張りを守る攻撃と獲物を狩るとの間とか、メスがオスを交尾したり連結産卵する対象とみるか餌とみるかの間の微妙な兼ね合いのバランスが崩れた時に起こっているのかも知れません。

残念ながらよく分からないままでいるのが現状です。

さらに多くの事例を集められれば、きっとそのメカニズムが分かる時が来ると信じています。

(イトトンボ科 キイトトンボ属)

カモ撮りこうちゃん