ハナオクラの受粉はアリがしているのではないか!

ハナオクラの花

ハナオクラの実

ハナオクラの実とタネ

ウスバサイシンの葉と花

自宅の狭い庭は夏には陽射しが入りますが、秋分から春分の間には全く入らなくなります。

3月になって部屋の窓から陽が差し込むようになるととても嬉しくなります。

5月頃から陽射しが入るようになった庭には、ハナオクラの芽が出てきます。

多年草なので、前年に咲いた根元の脇から芽を出します。

毎年その根元から出てくると思っていたら、3年目には全く出て来ず、その根は枯れてしまっていました。

多年草といっても同じ根元が生き続けているのかどうか定かでないようです。

ハナオクラはアオイ科で別名トロロアオイと呼ばれています。

ハマボウ、オクラ、ワタなどのアオイ科の花と同じように、朝咲いて夕方には萎んでしまいます。

花を軽く茹でてポン酢をかけて食べると、オクラのように滑(ぬめ)って酒の肴に最適です。

ですが私にとっては、和紙を作る際、接着剤として和紙を濾しとる液に入れる糊として使われていることに関心があります。

昔から和紙作りに使われてきた植物のようです。

和紙作りをしていた地方では、その花を食材として使っていたのかも知れません。

庭のハナオクラは多年草として昨年の根から芽を出させたものと、種を蒔いて芽を出させたものの2通りがあります。

根から芽を出させたものの方が早く、種からのものは遅くなります。

庭にはときどきアゲハの仲間やツマグロヒョウモンが飛んできますが、ハナオクラの花にとまって吸蜜している姿を見かけたことはありません。

でも花が終わってしばらくするとハナオクラの実が生っているのです。

前からそれを不思議に思っていたのです。

ハナオクラを茹でて食べようと花を摘んでくると、その花にアリが何匹も取りついて歩き回っているのを見かけます。

その時はただ邪魔だと思って振り払っていたのです。

最近になって、アリがハナオクラの受粉を助けているのではないかと思うようになりました。

ハナオクラの花は甘い蜜があるようには見えないのです。

多分花粉を採るためにアリがやって来て、その途中で受粉してもらっているのではないかと思われるのです。

こうした考えが浮かんだのは、東北にいた時にヒメギフチョウの幼虫の食草であるウスバサイシンの花のことを想い出したからです。

地中から出ている茶色っぽい花で、目立たない花です。

その受粉を助けるのがアリなのです。

山に入って歩き回っていると、花の近くでアリを何度も見かけていました。

ハナオクラの実の中に種がどうしてこんなにたくさんあるのか、ずーっと不思議だったのですが、アリを媒介者だと考えると、妙に上手く説明できるのです。

今のところはそれで納得しています。

本当かなー。

(アオイ科 フヨウ属)

カモ撮りこうちゃん