コシアキトンボで不思議だったこと

6月に見かけた若い成虫

真夏の水辺の成虫

コシアキトンボはシオカラトンボ同様に馴染みのあるトンボです。

シオカラトンボは畑や道端の枯れ枝や石ころに止まるのに、コシアキトンボは水辺や池の周りで見かけることが多く、生活環境が全く異なっているように見えます。

コシアキトンボには腹部に白い部分や黄色い部分があり、他のトンボと区別するのは容易です。

コシアキトンボは天童の山元沼でも原崎沼でも見かけていて、その見かけた時期は7月下旬で、腹部が全て白かったのです。

小さい頃からオスは腹部が黄色で、メスは白だと思い込んでいました。

ところが2つの沼で見かけたコシアキトンボは腹部が全て白く、黄色いオスが見当たらないのは何故だろうと不思議に思いました。

気候の違いでヤゴや成虫の食性が異なるので、東北のコシアキトンボはオスもメスも白いのではないかと思ったのでした。

蟹江に帰って6月初旬に庄内緑地にハナショウブの写真を撮りに行ったとき、緑地内のクスノキに囲まれた路上上空をコシアキトンボが何匹も飛び交っていて、腹部が全て黄色だったのです。

同時期の佐屋川の土手脇の樹木付近でも群れて飛んでいるのを見かけましたが、これらも腹部が黄色いのです。

また日光川ウォーターパークの大膳川西岸の竹藪付近でもコシアキトンボがたくさん飛び交っていますが、やはりどれも腹部は黄色いのです。

とても不思議でした。

コシアキトンボの腹部の色は、時間経過とともに変化するのではないかと思うようになりました。

トンボの中でも変化の大きいものにハラビロトンボのオスの体色変化があります。

ただ私の感じではコシアキトンボのメスの腹部の黄色は少し残っている感じはしています。

最近になってオスとメスの違いを尻尾の先の形で区別できるようになりました。

尻尾の形に着目すると、確実に区別できます。

6月初旬に樹間で群れで飛び交うコシアキトンボは、羽化したばかりの若い成虫ではないかと思うようになりました。

成熟していない間は樹間で群れになって過ごし、その後成熟してくると池や沼などに移動していくのではないかと思われます。

アオイトトンボも羽化した若い成虫は樹間で生活し、成熟して産卵時期になると水辺付近に移動すると言われています。

コシアキトンボも成熟するに従って場所を変えていくようです。

昔は夏になると、ウスバキトンボだけが路上上空を飛び交っていると思っていましたが、その時期の前にはコシアキトンボが飛び交うというイメージが出来上がってきました。

初夏はコシアキトンボ、真夏はウスバキトンボという風にです。

(トンボ目 トンボ科 コシアキトンボ属 コシアキトンボ)

カモ撮りこうちゃん