ヨシガモは家族単位で北帰行するのかも?
集団で行動するヨシガモ
集団で採餌するヨシガモ
ヨシガモのあれこれ
ここ数年、蟹江新田の佐屋川や隣の日光川でヨシガモが越冬しているのを見かけます。
1月はウォーターパーク近くまで日光川を北上しています。
2月の半ばを過ぎると、日光大橋近くの日光川か、すぐ隣の佐屋川付近に滞在しながら、川の土手で採餌しています。
草や種などを懸命に採餌していますが、土手を人が歩いていくと佐屋川に避難します。
佐屋川で泳いでいても埒があかなくなると、土手を横断して日光川に飛んでいきます。
2月初旬にはヨシガモの数は25羽くらいでした。
例年見かける数の群れで変わりはありません。
ところが2月27日に佐屋川の土手に行ってみると、ヨシガモの数が少ないのです。
そろそろ北帰行の季節です。
全体がいなくなるのではなく、その半分くらいがいなくなっているのです。
残っているのは10羽前後でした。
ヨシガモの繁殖地は、「日本の野鳥」(叶内拓哉 安部直哉他 山と渓谷社)でも「日本のカモ 識別図鑑」(氏原巨雄 道昭 誠文堂新光社)でもカラフト、カムチャッカ半島、ユーラシア大陸の北東部と記されています。
2月下旬になると、太陽高度が高くなり光量も多くなって春を感じられるようになってきます。
その光量を受けると体内のホルモン量が変化して、北帰行したくなると考えられます。
でもなぜ一斉に北帰行しないのか、なぜ残るグループがあるのか、とても疑問です。
ハクチョウは家族単位で越冬しに来るといわれています。
昔福島県浜通りの楢葉付近のハクチョウの越冬池で監視員の人と話したことがあります。
羽を痛めて帰れずに池に残ったハクチョウがいたそうですが、秋に家族が来ると、すぐ残ったハクチョウの近くに来て再会を確かめ合っているような光景を見かけていると話していました。
ハクチョウは家族の愛情が強いようですと話してくれました。
これをヨシガモに当てはめてみると、残るヨシガモと北帰行していったヨシガモの違いは家族が違うのではないかと考えられます。
番いから生まれたヒナたちが成鳥になって、産卵してまた家族を作って集団を形成していくのではないかと思われるのです。
越冬地では他の家族集団と一緒に生活するものの、繁殖地は異なる可能性もあるので、その北帰行する時期もずれてくるのかも知れません。
そんなことを考えてしまいました。
そんなことを考えると、飛島村にやってくるタゲリも同じ家族集団ではないかと思われます。
見かけた当時は14~16羽だったものが、今では30羽程度に増えてきました。
家族ならこの増え方も理解できるように思われるのです。
いつも思うのはヨシガモなどのカモたちが、何千キロにも及ぶ越冬と北帰行を繰り返す意義がどこにあるのか、なかなか理解できない自分がいるのですね。
(カモ目 カモ科)
カモ撮りこうちゃん