アキアカネの産卵について再考する
アキアカネの打泥産卵
打水産卵
連結態で飛翔
交尾態
アキアカネのオス
アキアカネのメス
11月に出かけた南東北への旅で、目的だったアキアカネの産卵風景をなんとか撮ることができました。
これまでアキアカネの産卵については、2020.11.6づけのblog「なぜアキアカネは刈り入れ後の田んぼの水溜まりで産卵するのか」で、枯れてしまう田んぼの水溜まりに産卵する理由について書きました。
何年間に亘ってアキアカネの産卵行動を見ていて、私なりにいくつかのことが分かってきました。
以前にも書いているのですが、改めて書き留めておこうと思います。
①産卵時期と時刻と天候
蟹江周辺ではコノシメトンボの産卵時期よりは遅く、アカトンボの仲間(アカネ属)の中では一番遅く11月中旬まで産卵しているようです。
また産卵時刻は11時頃からせいぜい13時位までで、朝早くや夕方に産卵しているのを見かけていません。
天候は好天の日がほとんどで、曇天の日に産卵しているのも見かけていません。
気温が関係すると思われるものの、太陽高度が関係している可能性があります。
②打水産卵と打泥産卵
アキアカネは打水と打泥産卵のどちらも行いますが、産卵するときは真ん中でなく水辺の縁で産卵しています。
産卵した卵は湿った地中で冬を越すので、水中に産卵するよりは泥に埋め込んだ方が確実に生存率を高めることができそうです。
観察していると濡れた泥があるところを好んで産卵しているように見えます。
③連結産卵と単独産卵
多くは連結産卵しています。
たまに単独産卵しているものも見かけます。
これまでオスは自分の子孫を残すためにメスを逃さないように連結産卵していると思っていました。
でもオスが産卵を主導しているのではないかと思うようになりました。
てこの原理でオスの頭を支点として、オスが体を振り下ろすことで、末端のメスの尻尾が水面を強く叩いて受精卵を機械的に多く排出できるではないかと思われるのです。
単独よりも連結の方の距離が長いのでモーメント力が大きくなりますから。
④途中で交尾態になる
連結産卵中に、ときどき交尾態になって近くの葉などにとまります。
一休みという感じですが、受精卵がなくなったので再受精させるからだと思われます。
受精卵がなくなったのがなぜ分かるのか不思議です。
「分かればわかるほど、分からなくなる」ということをアキアカネでも体験しているところです。
(トンボ科 アカネ属)
カモ撮りこうちゃん