ピンクの花を咲かせるキクモは知っているキンギョモだった!

キクモ

蟹江に戻ってから永和の沼や雑木林の周辺を定点観測地にして歩き回っています。

その沼も雑木林も昔の産業廃棄物を捨てた場所で、沼にはタイヤや大きな金属製の枠などが錆びた状態で水面下にあります。

雑木林にも椅子の壊れたもの、ビニールシートやトイレ用品など古くなったまま捨てられています。

春から秋にかけては木々の緑で、そうしたものが隠されていますが、実際にはかなりの惨状です。

以前農家の人と話した時には、沼のほとりを掘ると自転車の残骸が出てきたと話していました。

今でも沼周辺はそうした酸化して赤くなった鉄のさびたものがいたるところで見られます。

高度経済時代には環境への配慮はなかったのでしょうね。

それを片付けることもしないまま時間が経過して現在に至っているようです。

この永和の沼は春先になると増水して沼が大きくなってきますが、夏になって雨が降らいなと沼の水が引いて沼が小さくなってきます。

そんなことが季節ごとに繰り返されていきます。

その沼だったところの水が引いていくと、春から秋になるにつれて水辺にイヌガラシ、クサネム、ヤナギタデなどとともに、小さなキクモが生えてきます。

キクモは小さい植物なので目に留まりにくいのですが、ピンクの可愛らしい花を咲かせます。

しかも葉がキクの葉のような形をしています。

そんな印象を持ちました。

最初からキクモという名前を知っていたわけではありません。

インターネットや図鑑で調べていて、キクモだと分かったのです。

「山川草木図譜」には「古典的な水草であり、水中葉の姿と地上の姿とでとても大きく異なります。水中葉の姿では『キンギョモ』として親しまれてきた草で、近年では東南アジア産のものが『アンブリア』として販売されています。元来、日本古来の水田雑草の一つで、休耕田などでは大繁殖することもありますが、農薬や除草剤を使う田では見られないので、各地で減っているようです。東京都では、絶滅危惧2類とされています。水上の泥の上に生える姿では、細かく分かれた菊のようになって名の元になっています。水中では閉鎖花をつけ、陸上の場合はとても小さく綺麗なピンクの花を咲かせます。ただし、午前中に開き午後には萎んでしまうようで、夕方近くなどではうまく開いた花は見られません。」と記されています。

小さい頃に飼っていたメダカの水槽の中にキンギョモを入れていました。

そのキンギョモの地上での姿がキクモだったのです。

本当に驚きました。

でもこのキクモは、私の小さい頃の経験と結びついたので一生忘れられないだろうなと思ってしまいました。

(オオバコ科 シソグサ属)

カモ撮りこうちゃん