オオバコとヘラオオバコの花の咲き方が面白い

小さい頃から名古屋周辺ではオオバコは見かけていました。

乾燥した丈の低い叢や農道や畔の道の中央の草が生えているところでも見かけました。

当たり前に見られ馴染んできた植物です。

「日本の野草」(林弥栄編 山と渓谷社)には「人が踏みつけるような道ばたや空き地などに普通に生える多年草。大葉子すなわち幅の広い葉にちなんだ名である。漢名の車前草は車の通る道に多いことによる。この葉や種子(車前子)はセキ止めの薬になる。葉はすべて根生し、葉柄は葉とほぼ同じ長さがある。花茎は10~20㌢で、先端に白い小花を多数穂状につけ、下から順に咲き上がり、雌しべが熟した後雄しべがでる。花期4~9月 生育地 道ばた 分布 日本全土」と記されています。

私が経験してきた生育地と同じです。

「雌しべが熟した後雄しべがでる。」というのは、自家受粉を避けて他家受粉を目指す雌性先熟の戦略だと思われます。

花穂状のものは下から咲いていく仕組みのようです。

オオバコの花穂の雄しべは地味なので、よく見ないと分からないくらいです。

それに比べるとヘラオオバコはその雄しべが白く目立つので華やかな感じです。

小さい頃は余り見かけなかったのですが、ここ数十年間でオオバコよりも目立つようになりました。

その華やかさの故からでしょうか。

「日本の野草」(林弥栄編 山と渓谷社)のヘラオオバコには「ヨーロッパ原産。日本には幕末のころ渡来したといわれている。現在では全国に広がっており、とくに北海道に多い。葉は10~30㌢で細長く、へら形で全て根性する。花茎はつぼみをつけたままのび上がり、30~80㌢となり、先端に長さ2~8㌢の円柱形の花穂をつける。花の外に長く飛び出した雄しべが、下から順に咲き上がっていく姿はなかなか愛嬌がある。花期6~7月 生育地 道ばた、荒れ地 分布 帰化植物」と記されています。

ヘラオオバコは帰化植物で、小さい頃見かけなかったのは当然だったのです。

私が華やかだと感じたものを愛嬌と記されていました。

最近ではこの2つと異なると思われるオオバコを見かけています。

多分ツボミオオバコで北アメリカ原産の帰化植物でないかと思われます。

まだ写真を撮っていません。

このオオバコ、ヘラオオバコの花穂を見ると、なぜか東北で見かけていたウツボグサを想い出します。

シソ科ウツボグサ属ですが、花茎の先端に花穂を出し、やはり下から咲いていきます。

これも同様に他家受粉を目指してのことでしょうが、この3つの花穂が同じように見えてしまうのです。

知らない間に関連させてしまう人間の特性からなのでしょうねー。

(オオバコ科 オオバコ属)

カモ撮りこうちゃん