ノビルはムカゴによる繁殖戦略に変わったらしい!
ノビルは東北では春になると叢や田んぼの畔でよく見かけました。
縄文人が食べていたと聞いていたのでとても興味を持ちました。
2021.3.24付けのblogで書いたように、採ってきて小さな球根(鱗茎)とその葉を酢味噌和えにして食べました。
酒の肴としては絶品だと思います。
ただノビルの出始めはスイセンと区別つきにいので気をつけないといけません。
そのノビルは他の植物が生えてくると、その存在が分からなくなります。
それでもしばらくすると茎を長く伸ばして先端に小さいネギ坊主様のものをつけます。
ネギと同じ仲間だからネギ坊主の一種だろうと思っていました。
最初ネギ坊主を見かけたのは天童の丘陵地帯でした。
何本も茎の先にノビルのネギ坊主がついていたのです。
その写真を撮りましたがいつも通りぼやけてしまいました。
ところが蟹江周辺でもノビルをたくさん見かけます。
春先にツクシやワラビを採る人はいますが、ノビルを採る人は見かけたことはありません。
数日前に日光川河口の土手を歩いていてノビルのネギ坊主を見かけました。
そのネギ坊主の1つには、その種だとおぼしきものから芽と根が出ているのです。
その様子を見てとても驚きました。
ネギのネギ坊主の種と同様、ノビルも種だと思っていたのです。
でも茶色で大小のデコボコの様子をみると、ネギと同じかどうか自信がなくなってしまいました。
ウィキペディアでは「ノビル(野蒜、山蒜)はヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属の多年草。日当たりのよい土手や道端に生える野草で、全体の姿や臭いは小ネギやニラに似ている。花にムカゴをつけて繁殖し、葉と地下の球根は食用になり、古代から食べられていたといわれる。和名ノビルの語源は、昔から食用野菜として知られることから、野に生えるヒル(蒜)という意味で、蒜はネギやニンニク、ニラなどネギ属の野菜の古称である。」と記されています。
「野の花図鑑」のノビルには「ネギ坊主状の中には当然花の蕾が入っていると思われるのですが実はそうでもなくて、中には、花の蕾のほかにこげ茶色のムカゴというものが入っているのです。ネギ坊主の皮がむけると、ムカゴとそのムカゴの隙間から白く小さな蕾が出てきて、花を咲かせます。種子は作らないようで、ムカゴがばらまかれて繁殖するようです。」と記されています。
ムカゴは同一遺伝子なので親と同じ性質の子孫になります。
花を咲かせるのは異なる遺伝子を取り込む戦略です。
球根(鱗茎)も分株するでしょうから、ムカゴは同一遺伝子で繁殖する戦略を中心にしているようですね。
まだ花を咲かせているのは、環境の変化による危険を回避したい防衛機制の表れだろうかと考えてしまいました。
環境が大きく変化するときは、種ができるようになるかも知れませんね。
面白い問題です。
(ヒガンバナ科 ネギ属)
カモ撮りこうちゃん