春にサギたちが耕運機に集まる理由がわかった!

秋や春には耕運機で田んぼや畑の土起こしをします。

その時サギの仲間、カラス、ムクドリ、ハクセキレイやツグミなどが耕運機の周りに集まります。

耕運機の大きな音を恐れるわけでもなく、場合によっては間近で餌を探すので、かなり危険です。

これまで野鳥などの野生動物は人間とは無関係に生きていると思っていました。

でもこうした光景を見ると、実は人間の活動に大きく依存しながら生きていることが分かります。

スズメは一時家屋の構造や農薬の使用で1/10に減ってしまいました。

その後農薬が減らされた結果、今では持ち直してきているようです。

人間の活動によって、野生動物の数や生き方が変化してきているのです。

先日蟹江新田の水を張った水田で、耕運機の後ろに泥を平らにする機械をつけて作業をしていました。

これは田植え前の最後の作業です。

秋に田んぼの土起こしをして冬を越し、春先に水を入れてから耕運機で大まかに地ならしします。

最後に田植え前に水に浸かった泥を丹念に平らにする作業をします。

それが終わると田植えです。

秋の土起こしの時はカラス、ムクドリ、ハクセキレイやツグミが耕運機を追いかけています。

春の水を張った田んぼではサギの仲間(アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ)が耕運機の周りに集まります。

でも捕る動物が違うようなのです。

秋はミミズや昆虫の幼虫が主な獲物だと思われます。

蟹江新田のサギたちは、耕運機の後ろをついて回るのでなく周辺を歩き回り、ときどき首を伸ばして獲物を捕っていました。

そのほとんどがドジョウでした。

アオサギ、ダイサギ、チュウサギは簡単にドジョウを捕っているのです。

これほど多くのドジョウが水田にいることに驚きました。

水田の泥の中にいたドジョウがひっくり返されて見つけやすくなったからでしょう。

これらのドジョウはどこから来たのか不思議です。

水を田んぼに入れたときに一緒に入り込んだのでしょうか。

春先の水に魚類はほとんど見かけません。

こんなにたくさんのドジョウは入り込めないでしょう。

そう考えると、ドジョウはもともと田んぼの中の泥の中にいたのだと思われます。

昔は水がなくなった用水路の泥の中にドジョウがいました。

友人は秋田県本荘市ではスコップでドジョウを捕まえていたと話していました。

秋口に田んぼの水がなくなるとドジョウは何匹か固まって泥の中で皮膚か空気呼吸して仮死状態で生き抜きます。

春に水が入ると目覚めて活動するようです。

それを待ち構えているのがサギの仲間です。

ドジョウ無残という他ありませんね。

野生で生きていくのは、それぞれが命懸けなんだなぁと思ってしまいました。

(ペリカン目 サギ科)(ドジョウ科 ドジョウ属)

カモ撮りこうちゃん