キジはなぜ鳴くときに羽ばたくのだろう?

キジを見かけるようになって不思議に思うことがあります。

キジのオスは鳴くとき必ず羽ばたきながら鳴くのです。

他の鳥でもニワトリのオスなどは羽ばたいて鳴く場合があるようですが、なぜキジは鳴くときに必ず羽ばたくのでしょう。

春になってキジが「ケーンケーン」と鳴く声を聞くとキジのオスがいることがすぐ分かります。

繁殖期を過ぎると鳴いているのを見かけません。

繁殖期だけの行動のようです。

オスのこの雄叫びは高音で一瞬の叫びです。

観察していると、一度鳴いてから連続的に鳴いているのを見たことはありません。

鳴きそうだなと思うときは、オスの体勢が背筋を伸ばして胸を張っています。

「鳴くぞ!」と思うと、その後鳴くことが多いのです。

鳴く前の体勢も鳴く準備のようです。

オスの鳴き声は、メスへの「ここにいるぞ」というアピールだと思いますが、全身全霊をかけている風情があります。

高音の一瞬の叫びに自分の存在を伝える願いを込めている感じさえします。

その鳴く瞬間に羽ばたきます。

羽ばたくのは鳴き声を増幅するためのようにも感じるし、鳴くためのプロンプティングのような役割もあるのかも知れません。

つまり鳴く勢いをつけるための役割です。

鳴いた直後に尻尾を上にあげる仕草もします。

このようにオスが鳴く行動は一連の行動の連鎖になっています。

この行動の連鎖はオスの鳴き声を体全体を使って効果的にさせる作用をしているようです。

もし羽ばたかなかったら、こんな高音で強い鳴き声をきっと出せないでしょう。

人間でも大きな声を出して歌ったり叫んだりするとき、手を後ろに組んで胸を張って歌ったり叫んだりします。

合唱や応援団の人たちの様子を見ていると、キジのオスの雄叫びを上げるのと同じ体勢になっています。

それと同じことなのかも知れません。

なぜキジのオス(ニワトリのオスも?)だけが羽ばたきながら鳴くのかという問いの答えは持っていません。

進化の過程で、体全体を使って大きな雄叫びを上げるという特別の能力を身に着けてきたのでしょうか。

考えてみると、色々な空想が膨らんできます。

カモ撮りこうちゃん