増えているのが実感できるマツバウンラン
日本に入り込んできた帰化植物はたくさんあり、日本の風景は50年前とすっかり変わってしまっています。
ヒメオドリコソウやキクイモは明治以後入ってきたのに、私が幼いころは日本の在来植物とばかり考えていたのです。
それに比べると古くはないセイタカアワダチソウが帰化し出したころ、色々問題があったことは想い出せます。
このように色々な植物が日本に入り込んできているようです。
数年前に町内の宅地造成された叢で花を咲かせている植物を見かけました。
一斉に薄紫色の花を咲かせていました。
茎の先端部分にたくさんの唇形の花をつけています。
それがマツバウンランです。
花ばかりでなくその生えている量に驚きました。
花の様子から、園芸植物として持ち込まれ、その種が広がったのではないかと思われます。
このマツバウンランの拡散する速度はかなり早いのではないかと思われます。
私の定点観測地である永和駅北側の雑木林や田んぼの畦道、そして新大井橋付近の善田川周辺では3年ほど前には見かけていませんでしたが、一昨年にはそこで数本のマツバウンランを見かけました。
昨年にはある場所には数十本のマツバウンランが花を咲かせていました。
また善田川の土手にはマツバウンランが群生して咲かせていました。
こんな早い繁殖スピードだとしたら、数年後にはどこでも見られる植物になるのではと思ってしまいました。
セイタカアワダチソウと同様に、最初はかなりのスピードで繁殖し、その後日本の在来植物とのせめぎ合いによって、日本の生態系のある位置に落ち着くようになるのが一般的です。
それまでにどのくらいの時間がかかるのか見ものです。
「国立環境研究所 侵入生物データベース」では「合弁花類ゴマノハグサ科。自然分布は北米。形態は1~2年草。茎は細くて束生、高さ20~60㎝、無毛、根元から多数の小枝を横に伸ばし、葉は根元で3~4片輪生、直立茎でまばらに互生、幅1~2㎜で深く5列。花冠は青紫色で横向き~中略~。果実(さく果)は球形、径3㎜。種は0.4㎜。国内移入分布は北関東・北陸から中部~西日本。1941年、最初の発見地は京都伏見区向島。」となっています。
「BOTANICA」には「オオバコ科。開花時期は4~5月。似た花にオオマツバウンラン、ホソバウンラン。」と記されています。
私はオオバコ科よりは花の様子からゴマノハグサ科の方は納得できますが、科は確定していないようです。
また似た植物が入り込んでいるところをみると、園芸植物として移入された可能性が高いように思われます。
それにしても帰化動物に比べて、植物の方は見慣れるまで50年以上の時間がかかるのですね。
それにも驚いてしまいました。
(ゴマノハグサ科⦅オオバコ科?⦆)
カモ撮りこうちゃん