夏に見かけるミソハギ
天童にいた頃、夏に山元沼の水辺でピンクの花をつけた植物を見かけました。
畑の真ん中で見ることはなく、水辺や用水路脇の土手に生えていました。
これがミソハギです。
お盆のときに使われると聞いたことがありました。
「庭木図鑑 植木ペディア」には「ミソハギという名前は、『禊(みそぎ)に使う、萩に似た花』という意味合いであり、先祖を供養するためにミソハギの束で、お供え物に水を注いで清めたことに由来する。これにちなんで、ボンバナ、ボングサ、ショウロウバナ、ミズハギなどの別名がある。」と記されています。
昔から、身の回りの植物を行事に使っていたのですね。
タニウツギも葬式の際、骨を骨箱に納める箸として枝を使っていて、花を座敷に活けることは避けていた地方があったようです。
ミソハギも部屋に飾ることは避けられていたと推測しています。
ミソハギのたくさんのピンクの花は存在感があります。
夏にこんな色の花が咲くのはサルスベリ(百日紅)くらいなので、緑が一面の夏の風景では目立ちます。
ミソハギはよく見ると、シソ科ではなくミソハギ科ミソハギ属なのに茎が四角いのです。
馬鹿の一つ覚えの「シソ科の茎は四角い」の例外になります。
四角い茎の植物は結構あるのかも知れませんね。
色々の資料にはミソハギのハナビラ(花弁)は6枚と書かれていますが、私が撮った写真を拡大すると6枚ではなく5枚のものも目につきます。
6枚のはずだと探しましたが見当たらないことが多いので疑問に思っていました。
「Flora of Mikawa」には「日本全土、朝鮮半島原産。湿地に生える。多年草。高さ50~100㎝。全体に無毛。茎は4稜形。葉は長さ2~6㎝。幅は0.5~1.5㎝で、十字形に対生し、基部は茎を抱かない。花は直径約1.5㎝。花弁は4~6個で波打つ。花托筒(萼筒)は長さ5~8㎝、12本の縦の稜がありある。萼片は三角形6個あり、萼片の間に針状の付属体が6個あり、開出する。雄しべは12個、6個が長く、6個が短い。雌しべの長さには3型あり~中略~ 蒴果は長さ4~5㎜、熟すと2裂しさらに2裂する。花期は7~8月。」と記されています。
ハナビラ(花弁)は最大6枚で幅があることが分かりました。
実はヒレタゴボウの実と似ています。
子房下位なのでしょうか。
色々な資料に花弁が6枚と記されているのは、最初書かれたものを引用しているからかも知れません。
時々実物で確認することが必要だと感じました。
また蟹江でも用水路脇でミソハギを見かけました。
この周辺にも咲いているのですね。
とても驚いた記憶があります。
(ミソハギ科 ミソハギ属)
カモ撮りこうちゃん
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