春型と夏型で全く模様が違うサカハチチョウ

東北で出会ったチョウにはウスバシロチョウ、テングチョウ、ミドリシジミなどがありますが、サカハチチョウもそんな仲間です。

小型で春になって見かける表翅の模様は、華やかで入り組んだパズルのはめ絵のような図柄です。

山道や叢で出会うと写真を撮ってしまいます。

その表翅の模様がサカハチチョウの本来の模様だと思っていました。

チョウの中には季節で少し模様が変わるものがあります。

モンシロチョウ、キタキチョウ、ベニシジミ、アゲハチョウ、キアゲハも季節ごとに雰囲気が変わります。

長期間に渡って見かけるチョウの仲間に季節ごとの模様の変化があるようです。

私がサカハチチョウを撮ったのは5月中旬で、紅花トンネル脇の林道の山道と天童の山沿いの叢で撮ったのです。

秋口の9月に若松観音の参道の上り口近くの叢で、似たような小さいチョウを見かけました。

表翅の様子からイチモンジチョウのようです。

どんな名前のチョウなのか分からずにパソコンの動物分類でイチモンジチョウのカテゴリーに入れておきました。

そのことを忘れてしまっていました。

今回HPでサカハチチョウを書こうと思って、「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編 誠文堂新光社)を見たら、春型と夏型では全く違う表翅の模様だったのです。

とても驚きました。

私は年中歩き回っていてどんなチョウも出会うと撮っておきます。

夏型にもきっと出会っているはずだと思いました。

ふっと思いついてイチモンジチョウのカテゴリーを開いてみると、夏型のサカハチチョウが入っていたのです。

やったーという感じでした。

ウィキペディアには「日本全土に分布する小さなタテハチョウ。~中略~ 年二回、春と夏に発生。前述のように春型と夏型では表翅の模様がかなり異なる。これは日照時間が影響しており、幼虫時代の日中の時間がおよそ13時間を下回ると春型が発生する。花や樹液、獣糞、腐果などさまざまなものに集まる。食草はイラクサ科のコアカソ。~中略~ 長崎県、鹿児島県では準絶滅危惧種。」と記されています。

上述の「日本のチョウ」には「日中、やや低い位置を小刻みに翅を羽ばたかせながら飛翔し、地面や草の上によく止まる。ウツギ類、シシウド、オカトラノオなどの各種の花を訪れるほか、地上で給水したり動物の排泄物に集まる。植林によって本種の好む明るい林縁環境が減少しているほか、本種の食草はシカの嗜好性が高く、シカの食害によって個体数が減少している。」と示されています。

だんだん少なくなっているチョウのようです。

模様が季節によって別種かと思うほど変わるチョウがいるんですね。

とても驚きました。

(タテハチョウ科 サカハチチョウ属)

カモ撮りこうちゃん