テングチョウを蟹江周辺で見かけて驚いた
天童にいた時、山形の紅花で有名な高瀬から馬見ヶ崎川に抜けるベニバナトンネル近くの駐車場に車を置いて、谷川沿いの林道を歩きました。
その最終地点まで行ったことはありません。
ほとんど人と出会うことがなく、クマに遭遇したり事故に遭っても、山中なので携帯がつながず救助を頼むことができないからです。
それで大体時間を決めて、1~1.5時間くらい歩いて引き返すようにしていました。
途中では時どき大声を上げたり、拾った木の枝で幹を叩いたりして、クマがいれば人がいることを知らせるようにしていました。
その林道を歩いていて色々な動植物に出会いました。
例えば、ウワバミソウのムカゴ、ムカシヤンマなどの他にテングチョウも見かけました。
6月中旬にその林道の石ころだらけの道にたくさんのチョウが降りてとまっているのです。
しかもそのチョウの頭の先端がとがっていて、これまで見ていたチョウとは雰囲気が違います。
閉じた翅とその縁の様子からタテハチョウの仲間だと分かりました。
集団になるチョウなんだなと思ったのです。
家に帰って調べてみたらテングチョウでした。
チョウが集まるのはテングチョウだけでなく、キタキチョウやシジミチョウの仲間などでも一般的に見られます。
吸水や交尾・産卵のために一斉に集まるようなのですが、その理由は一律ではないようです。
花を渡って吸蜜する姿しか見なかったヤマトシジミが集まって乱舞しているのを林道で見かけてとても驚いたことがあります。
「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編 誠文堂新光社)には「分布は西日本から東北南部まで。食草はエノキ、エゾエノキ、クワノハエノキ(ニレ科)。平地~山地の広葉樹林。都市近郊の公園や神社から、雑木林、自然林にかけて広く見られる。都市部の生息地はまとまった樹林がある場所に限られる。森林では、河川や渓流、林縁部など、食草の多い場所が好まれる。日中、高所を敏速に飛翔し、各種の花や樹液などを訪れる。羽化直後は吸水行動を盛んに行うため、路上の湿った場所に集団で見られることがある。」と記されています。
そんなテングチョウを蟹江の大膳川と永和の雑木林で見かけました。
とても驚きました。
山形では山中の林道でしか見かけなかったチョウなのです。
山沿いにだけ住んでいるのだろうと思っていたのです。
そのギャップが驚く原因だと思います。
テングチョウの分布を見ると、山形は分布図より北側に属しています。
その意味では山形で見かける方がは珍しいようです。
蟹江近辺では普通にいるチョウだったのですね。
こんな経験も天童と蟹江が直線距離で500㎞以上も離れていて比較できる利点かも知れません。
他にもシロサクラタデとサクラタデなどの植物でも似た経験があります。
(タテハチョウ科 テングチョウ属)
カモ撮りこうちゃん