ユキノシタの天ぷらは絶品だと思う

小さい頃、名古屋市西区の東芝社宅の2軒長屋に住んでいました。

当時は汲み取り式の便所で、時どき業者が汲み取りに来ていました。

その汲み取り口付近にユキノシタが植えてありました。

そんな光景が今でも忘れられません。

その結果、トイレとユキノシタは対連合されて、余り良い印象は持っていません。

花も咲いているのを見ていましたが、近づいて見たことはありませんでした。

後年になって、仙台で子どもたちと一緒に、春の野草を採って天ぷらにする活動をしたことがあります。

タンポポの花と葉、ツクシとスギナ、ヨモギ、ハコベ、モクレンの花、アケビの新芽、ドクダミ、タラの芽やユキノシタなどを天ぷらにしました。

食べて美味しいと思ったのはタンポポの花と葉、ヨモギ、タラの芽、ユキノシタで、ツクシもそこそこに美味しいと思いました。

スギナとハコベは、茎状なので美味しいのですが舌触りが気になりました。

アケビの新芽は余り印象にありません。

モクレンの花は苦みがあり余り食べたいとは思いませんでした。

ドクダミはあの臭いが天ぷらにすると失せると聞いていましたが、臭いが残っていて二度と食べたいとは思いませんでした。

タラの芽以外の木の新芽も食べてみましたが、苦くてとても食べられる代物ではありません。

灰汁(あく)が強いからでしょう。

それに比べるとタラの芽は素晴らしい山菜だと思います。

ユキノシタは東北の山に入ると割りと見かけます。

園芸用に庭の岩の周りに植えられているものを見かけますが、野草として生えているものもあります。

葉が厚く癖がないので天ぷらにすると絶品です。

その場所が分かると、毎年そこで安定的に採取できるのです。

初夏に山に入ったら、ユキノシタと同じ花を咲かせる植物に出会いました。

調べてみたらユキノシタ属のダイモンジソウではないかと思われます。

同じ仲間なんだろうなと思ったものです。

先日三重県亀山の鈴鹿峠を通って、滋賀県側の甲賀市土山の道の駅に寄ったら、山野草を販売している場所があり、ダイモンジソウを販売していたました。

そこでスマホで写真を数枚撮りました。

この辺りにダイモンジソウが生えているのかもしれませんね。

少年時代の自分と、ユキノシタの想い出がこんな形で今でも繋がっているのです。

とても不思議な感じがします。

(ユキノシタ科 ユキノシタ属)