カルガモも個体距離を保っているようだ

以前カワウの習性として、間隔を保ってとまると書きました。

その距離のことを個体距離といいます。

これはE.Tホールが使っている概念で、人間もある個人空間(パーソナルスペース)を持っていて、そこに他者が侵入してくるとイライラしたり困惑したりという心理的な感情が湧き起こるというものです。

これらの距離は文化や性差等によっても違っているようです。

中東の人たちは近づいた距離をとろうとするのに、アメリカ人は離れた距離をとろうとします。

中東の人が近づくと、アメリカ人は後ずさりするという現象が起こるわけです。

個体距離の様子がカワウでも見られました。

カワウも個体距離内に他個体が入ってくると心理的に圧迫感を感じる可能性があります。

そうした感情が実際にあるのかどうか分かりませんが、行動から察するにそんな感情があるように見えてしまうのですね。

カワウで見られる個体距離を保つ行動は、果たしてカワウだけに特有なのでしょうか。

先日日光川の河口の土手を歩いていたら、川に浮かんだ漁船にカルガモたちがとまっていました。

この辺りはボートが係留してありますが、中には使ってない漁船が川の中に放りっぱなしになっています。

カワウやカルガモたちにとって夜を過ごし、休憩するのに最適な場所です。

こうした漁船がいくつもあって、鳥たちはそこを塒(ねぐら)にしているようです。

その漁船の1隻にたくさんのカルガモがとまっていました。

4時近くで11月末なのでもう夕方です。

カルガモたちもカワウ同様に個体距離を保っていました。

カワウだけではないんだなぁと思いました。

土手の先まで行って戻ってくると、首を羽の中に突っ込んでいるカルガモたちは寝る体勢になっていました。

他の場所にある船がひっくり返って底だけが出ている船底の上には、マガモの小群がとまっていました。

マガモたちもやはり同じように個体距離を保っているようです。

これらを見ると個体距離を保とうとする行動傾向はカワウだけではなさそうです。

カワウの場合、個体距離を保つのは場所が狭くないという条件でした。

狭い時には密集する場合もありました。

条件に合わせて距離を調節しているようです。

私たちも満員電車で通勤通学する時は密集しても仕方がないと思います。

でも降りるとほっとした気分になります。

多分カワウ、カルガモもマガモも同じようなのではないかと思われます。

個体距離を保つのはカモや水鳥だけなのか、それとも鳥一般にそうなのか、またカワウとカルガモなど異種間ではどうなのか等を観察してみたいと思います。

その反面ヌートリアなどのネズミの仲間はわざわざ密集するのです。

どうしてなのかとても不思議です。

(カモ目 カモ科)

カモ撮りこうちゃん