ホトケノザ(シソ科)は春になって咲くんじゃなかったの?
ホトケノザといえば春の七草を想い出します。
「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロこれぞ七草」のホトケノザです。
ここで謳われているホトケノザは実はキク科のコオニタビラコのことです。
なぜコオニタビラコがホトケノザなのか、昔からこの植物をホトケノザと呼んでいた地方があったことに由来しているようです。
冬になるとタンポポなどキク科の仲間は葉がロゼット状になります。
ロゼットとはバラのローズからきていて、ハナビラが開いている様子を表したものです。
冬の陽射しを受けて栄養を蓄え冬の寒さに耐える体勢です。
春になって茎を伸ばす様子はロゼット状の葉を蓮台に見立てて座るお釈迦様のようです。
このコオニタビラコをホトケノザといってきた地方があったようなのです。
私からいえば、タンポポもホトケノザといっても良さそうですが、タンポポをホトケノザとは言いません。
とても不思議です。
今では正式名を奪い取った(?)シソ科のホトケノザは、シソの花のつける様子が、シソ科特有の先端の茎につく輪生の葉の上に花が咲きます。
その姿が蓮台のお釈迦様のように見えます。
その点では、コオニタビラコよりはホトケノザの方が相応しい感じがしています。
シソ科のホトケノザは春の七草のホトケノザ(コオニタビラコ)と同じ頃に咲くものだと思い込んでいました。
秋から初冬には蟹江周辺では見かけていましたが、数本が花を咲かせている程度でした。
春を待ちわびていると思っていたのです。
11月中旬に弥富市海屋の田んぼの縁でホトケノザが大量に花を咲かせていました。
春に花を咲かせるとばかり思っていたホトケノザが満開なのです。
とても驚きました。
「日本の野草」(林弥栄編 山と渓谷社)と「野草・雑草の事典530」(金田初代他 西東社)で開花期を調べてみると共に3~6月と記されています。
1年うちの正反対の時期に咲いていることになります。
こんな時期に満開になっているのかとても不思議です。
温暖化の影響で花期がずれてきているのか、一部のホトケノザの一群が適応行動として花を咲かせているのか今のところ分かりません。
いつかその理由を確かめられたら良いなと思っています。
因みにこのホトケノザも白いホトケノザを木曽川の堤防沿いの叢で見かけました。
脱色化した白い花は、どの種でも起こり得るのだろうなと再認識しているところです。
(シソ科 オドリコソウ属)
カモ撮りこうちゃん