金魚養殖池のテグスに引っかかったのはオオバンか?

弥富市は全国有数の金魚養殖が盛んなところです。

隣の飛島村も同様です。

西尾張は水郷地帯で河川や用水路が多く、サギの仲間のほか、冬鳥のカモの仲間がたくさん見られます。

サギの仲間ではコサギ、チュウサギ、ゴイサギやダイサギは魚を捕りますが、アマサギは基本的には昆虫食です。

カモの仲間のうちコガモ、マガモ、カルガモ、オカヨシガモやオオバンなどは植物性で基本的に魚を捕りません。

カイツブリ、キンクロハジロ、カワウなど潜水性の水鳥が潜って魚を捕ります。

金魚を狙う鳥を防ぐために金魚養殖業者は、養殖池を防がなければなりません。

別に書いたモロコの養殖池のように完全にネットを張ると、大きな閉じたケージになって、ハクセキレイやカワセミさえも入り込むと出られなくなります。

夏にはコフキトンボやギンヤンマも閉じ込められ一生をその中で送っています。

というよりその養殖池で産卵し羽化して、ケージの中で一生を終えているようです。

一般の養殖池では、縦10m横5~6mほどの区画が並んだ養殖池にネットを張り巡らしています。

高さ2mほどでその高さの周りには、大きな目のネットを張り巡らせ、その池の上面には釣りのテグスを10㎝間隔ぐらいで縦に何本も並べて張って侵入する鳥を防ぎます。

また通路にもテグスが張ってあります。

ハクセキレイなどの小鳥は池の通路を出入りできますが、大きなカモやサギ類は入れません。

養殖業者の一番の敵はサギやカモの仲間だからです。

夏から秋にかけて養殖池の周りにはコサギの群れを見かけますが、ほとんどテグスに引っかかっているのを見たことがありません。

多分危険なことを学習しているのではないかと思われます。

先日そのテグスにオオバンと思われる鳥が引っかかって死んでいました。

見たところ羽の黒いところと脚の指がヤツデのようなのでオオバンだと判断しました。

ただ白い額板(がくばん)がよく分からないのです。

調べると額板は成長するにつれて大きくなるようなので、今年孵化した幼鳥ではないかと思われます。

引っかかっているのを見かけた例は、キンクロハジロ、ゴイサギの幼鳥と今回のオオバンの幼鳥です。

この養殖池の仕組みを知らないで被害に遭ったと思われます。

成鳥の場合は群れで危険を学びあって入り込まないのだと思われます。

無知であることが死に直結するのは野生動物では一般的なことだろうなと感じたものです。

人間の場合はどうなんでしょうか。

(オオバン ツル目 クイナ科)

カモ撮りこうちゃん