舟がぶら下がっているようなツリフネソウとキツリフネ
蟹江周辺ではツリフネソウは見たことがありません。
初めて見たのは福島第二原発の山沿いにある県道(35号線)脇の叢でした。
薄い赤紫の釣り舟が茎からぶら下がっている風情で、こんな花が実際にあるのかと驚いたものです。
宮城県の村田から岩沼に抜ける県道25号線の山沿いでもツリフネソウを見かけました。
生えているツリフネソウの茎に瘤があったのです。
ツリフネソウのムカゴではないかと思ってしまいました。
ミズ(ウワバミソウ)は秋には葉の出るところに赤紫色のムカゴを作るので、それと同じだと思ったのです。
それは虫瘤(むしこぶ)でした。
山形で山道を歩いていたら黄色いツリフネを見かけました。
これもなかなか風情のある綺麗な花です。
ツリフネソウもキツリフネも花が開いて尻尾(距=きょ)が細くなっています。
距の奥に蜜があって昆虫を呼び寄せます。
その距は観察しているとツリフネソウは距が丸まっているのに、キツリフネは長く伸びたままです。
同じ舟をぶら下げているのに、距の形が違っています。
私の印象では、ツリフネソウは割りと日向に咲きますが、キツリフネは日陰に咲いている印象です。
私が行動していた山形、宮城、福島県にはツリフネソウがありました。
いわき市の友人から送られた写真の中にもツリフネソウの写真が含まれていました。
茨城県北部にも生育しているようです。
キツリフネはそれよりは範囲が狭いように感じています。
「植物は動けないけど強い」(北嶋廣敏 ソフトバンク新書)には、「この渦巻きの部分の蜜を吸いにくるトラマルハナバチやナガマルハナバチなどは、花の袋に潜り込んで、蜜を吸うので受粉を助けるのだが、クマバチやオオマルハナバチは、渦巻き状の距(きょ)の部分に穴をあけて、ちゃっかり蜜を吸う。」と載っていました。
読んで笑ってしまいました。
動植物は単純に共生しているわけではなさそうです。
どの植物にも脱色化して白い花をつけるものがあります。
これまでホトケノザ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリなどで白い花を見かけています。
山形の山道で白いツリフネソウの花を見かけました。
距が丸まっているのでツリフネソウだと思います。
まだ白いキツリフネは見かけていません。
「変わり種やはしりもの」に価値があると考えると、この白いツリフネソウを売りに出したら売れるかも知れないなあと思ってしまいました。
本当かなー。
(ツリフネソウ科 ツリフネソウ属)
カモ撮りこうちゃん