害獣のヌートリアも幼獣はやっぱり可愛い!

蟹江周辺の川や沼ではヌートリアを見かけます。

一見するとカピバラのようで、動物園にいたら持て囃される存在になるでしょう。

ヌートリアが日本に移入されたきっかけは第二次世界大戦の飛行服の保温材として必要だったからです。

アメリカは空爆の時、戦時工場など特定場所に爆弾を投下していましたが、風などで命中精度が低く戦術変換をしました。

その頃開発された大型爆撃機B29で、日本の木造家屋に被害を与える焼夷弾を開発し、無差別攻撃をし出しました。

アメリカでは陸軍の一部隊だった飛行部隊を空軍として独立させたい人たちが、飛行機の威力を見せるために方向転換を促したことも戦術変換の理由の1つのようです。

B29爆撃機は高度1万メートルを飛行します。

日本の戦闘機が迎撃する際、寒さで飛行士が難儀をしていました。

それまで裏地がウサギの皮だったのをヌートリアの皮が良いというので移入されました。

新聞には「一軒に一頭」というスローガンがあったそうです。

戦後その必要性がなくなって、捨てられて野生化しました。

ヌートリアは池や沼、川などの土手に巣穴を掘り、年に2~3回出産し3~5頭産むといいます。

そこで畔や堤防が破壊され、イネや大麦などの食害も出るようになりました。

日本では愛知県、近畿、中国地方での生息数が多くなっています。

岡山では年間800頭、京都では930頭など駆除が行われています。

弥富市の三ツ又池公園にもヌートリアが生息しています。

池の周囲は遊歩道でウオーキングする人たちが大勢います。

10月末にそこのハス池の近くで、幼獣のヌートリアを5頭見かけました。

巣穴から出てきて草を食べています。

始めは4頭だったのですが、1頭は巣穴に入り込んでいきました。

他の3頭は周辺の植物を食べるのに夢中です。

親はその子どもたちを残してゆうゆうと水面を泳いで行ってしまいました。

巣穴から1頭が出て来てきました。

全部で4頭かなと思っていたら、更に1頭が巣穴から出てきて、4頭がいる中に割り込みました。

団子状になっています。午後3時を過ぎて気温は低くなっていました。

ネズミなどの齧歯類は集まってかたまる習性があるようです。

そんな様子をすぐ近くの柵のところから見ていました。

小さい丸っこい縫いぐるみのようで、害獣の子どもでも可愛いのだなあと思ってしまいました。

体つきの特長が親などに構って貰うための戦略的刺激なのだと分かっていても、やっぱり可愛いんですよね。

不思議だなあー。

(ネズミ目 ヌートリア科 ヌートリア属)

カモ撮りこうちゃん