飛島村のスズメの増減はコシヒカリの作付けと関係がありそうだ!
人間のある行為が野生動物に影響を与える可能性について「野生動物は人間と無関係に生きているのかな」で書きました。
その中で飛島村のスズメの数と栽培されている早生のコシヒカリの関係の予想を述べました。
飛島村のスズメの数が、他地域に比べてとりわけ多いように感じるのです。
他の地域では中生(なかて)のアイチノカオリという大粒の優良米を作付けしています。
刈取り時期は10月中旬です。
飛島村のコシヒカリは8月末に刈取りを行ないます。
刈った後からヒコバエ(穭 ひつじ)が生えて、10月半ばにはそれが出穂(しゅっすい)して2番穂をつけます。
日が経つにつれて熟して来ます。
この2番穂も刈取りすれば良いのにと思う程の量ですが、刈り取りしている情景は見たことがありません。
穂が不揃いで商品にならないからではないかと思われます。
でも飼料としてなら使えるのではないかと思うほどの量なのです。
ある田んぼでは2番穂に除草剤を撒いて枯らしているところもあります。
次の農作物作付けの準備のためでしょうか。
大量の2番穂はスズメにとって、冬を生き延びる餌として役立つのではないかと予想しました。
先日飛島村に出かけた時、2番穂の田んぼにたくさんのスズメが舞い降りて採餌していました。
降りると姿が見えなくなりますが、かなりのスズメの数です。
危険を感じると、近くの電信柱の電線に飛んで行って並んでとまります。
そこで安全だと分かると、またその田んぼに降りていきます。
そんなことを繰り返していました。
その情景を見て私の予想は当たっていたと思いました。
飛島村でスズメの数が回復してきた理由の1つに餌であるコシヒカリの作付けが行われていることが関係あると確信したのです。
夜を過ごす塒(ねぐら)も田んぼ近くの用水路脇の灌木かもしれません。
餌であるコシヒカリを採餌できる場所を最優先に、塒の場所も変えてきたのではないでしょうか。
ある一つの変化が起こると、全体のシステムの変容が起こると同じように、コシヒカリを利用するようになって、飛島村のスズメたちの生態システムが変わってきている可能性を感じます。
このコシヒカリの作付けが今後変更されれば、連動してスズメの数の変動が起こるでしょう。
人間の行為が野生動物の生き死にまで関わることを学ぶ1例となりました。
(スズメ目 スズメ科)
カモ撮りこうちゃん