トノサマバッタが土手に集まる理由を考えてみた

蟹江周辺にはトノサマバッタ、イナゴ、オンブバッタ、ショウリョウバッタがいます。

それぞれのバッタにはそれぞれの生育環境があるらしいのです。

乾燥地かどうかとか、植物の植生がどんなものかなどです。

イナゴは夏になると田んぼ周辺でだけ見かけます。

オンブバッタは自宅の狭い日陰になる庭に何年も発生してワタ、アズキ、イノコズチなどの葉を食べてしまいます。

トノサマバッタは8月に入ると日光川、善太川などの土手でよく見かけます。

土手の道路にたくさん降りています。

周りはススキなどの単子葉植物がたくさん生えています。

ショウリョウバッタは小さい頃はキチキチバッタと言っていました。

公園の原っぱや土手の叢で見かけたものです。

トノサマバッタとショウリョウバッタは同じ生育環境のようですが、トノサマバッタの方がいたる所で見かけます。

生育環境の違いを考えてみると、1つ目は食性の違いです。

トノサマバッタ、イナゴ、ショウリョウバッタはイネ科の単子葉植物を食べているので、それらが生えている場所に住んでいます。

オンブバッタは双子葉植物も食べるので、自宅の庭でも生きていかれます。

2つ目は乾燥地かどうかです。イナゴは湿った場所が生育場所で、イネ刈り後の田んぼの畔の土中に産卵します。

4種類のバッタはそれぞれの環境で生きているようです。

上述のように、川の土手を歩いているとトノサマバッタが頻繁に土手の道に降りているのを見かけます。

叢から偶然飛び出して降りていると思い込んでいたのですが、それにしては数が多すぎるのです。

ある時道路上でおんぶしているトノサマバッタを見かけました。

交尾はしていないままメスがオスをおんぶしていました。

土手のトノサマバッタの様子を見ていて、ふとある考えが閃きました。

トノサマバッタはわざわざ開けた土手の道路に出てきているのではないかということです。

開けた場所ならオスもメスも交尾相手を見つけやすいはずです。

そんな理由でトノサマバッタが頻繁に土手の道で見られるのではないかと思うようになりました。

イネ刈りが終わった田んぼの畔に、たくさんのイナゴがいました。

その中に何組かのオンブイナゴを見かけました。

もしかすると同じ理由によるのかも知れませんね。

オンブしているトノサマバッタを見ていて、別の面白いことにも気づきました。

オンブされたメスはオスを払い落そうとする気配はありません。

受け入れているようです。

当然メスはオスをオンブしたまま移動しますが、ときどきオスが足を小刻みに揺すっているのです。

それを見て、まるで乗馬の騎手が馬をコントロールするように見えたのです。

きっとそんな情報をオスはメスに与えている可能性はあるだろうなと思ったものです。

本当かなー。

(バッタ科 トノサマバッタ属)

カモ撮りこうちゃん