だんだんハスの花が好きになってきた

天童の原崎沼の西南にはたくさんのハスが生えています。

秋に沼の水が引くと、ハスの生えている所まで行って蜂巣から実を採ってきました。

発芽させようと考えていたのです。

蟹江に戻る際に持参しました。

発芽の様子は別の項目で書いたのでご覧ください。

西尾張の愛西市立田周辺はハス(レンコン)の産地です。

周辺にはハス田がたくさんあります。

そのことを知らなかったのです。

ハスが天童の住宅の庭や和食店の前に置いてあったのを想い出します。

庭のハスは大きなプラバケツ、店頭のものは小さい鉢で風流を感じさせるものでした。

天童で採った実を12月頃に発芽させたのですが、屋内では上手く育たずに全滅してしまいました。

そこで京都の杜若農園から、「蝶戀花(ちょうれんか)」という種を購入しました。

1粒600円ほどで高価なので驚きました。

その種が2粒と予備が1粒で封筒に合計3粒入っていました。

5月に水の中に入れたらすぐ発芽したので、塩化ビニールの大きな水槽に田んぼの泥を取ってきて入れて移し替えました。

その後何とか生き続け花が咲いています。

その3粒のうち1粒は白いハスで「蝶戀花」ではありませんでした。

小さい時からハスへのイメージは良いものではありませんでした。

葬儀に使われるハスの供物とか位牌や遺骨の箱を乗せる蓮台とか全てハスなのです。

ハスは綺麗な池というより泥水の池で育ちます。

汚い池で綺麗な花が咲くのがハスの存在価値だとも言われています。

とにかく私にとっては古い昔の花のイメージでした。

芥川龍之介の「蜘蛛の糸」では、お釈迦様が極楽のハス池をぶらぶら歩いていてそこから見える地獄を見て、そこにいたカンダタが現世でクモを助けたことを想い出し、極楽のクモの糸を垂らしてやる話です。

そこでもハスが出てきます。

極楽とか地獄とか死にまつわる事柄とハスは深く関連しているようなのです。

ヒガンバナも同様なイメージでした。

レンコンを採るハスの花を知るようになって、ハスの印象が変わってきました。

立田周辺のハス田では、数年前までは薄いピンクの花が主流だったのですが、最近では白いハスの花を見かけます。

レンコンを採る品種が変わってきているのかも知れません。

愛西市福原輪中の船頭平公園にはハスが植えられています。

それも何種類かのハスで、ハス田前の標識には品種名と特長が記されています。

ハスにも何種類もの品種があるのですね。

一重や八重の違いばかりでなく、色合いがそれぞれ違うのです。

よく見るとハスはとてもノーブルな花だと再認識するようになりました。

小さい時のハスへのイメージがだんだん覆されてきました。

こんな認識やイメージの変化も長く生きてきたからこそかなと思ってしまいました。

(スイレン科 ハス属)

カモ撮りこうちゃん