蟹江周辺のタナゴはタイリクバラタナゴばかり!

蟹江は水郷地帯といわれ、東側に名古屋市との境の福田川、西側には2級河川の日光川の他に善太川が流れています。

日光川や善太川の源流は木曽川だと思われます。

それらに蟹江町には農業用水路や排水路がいくつもあって、ルアーフィッシングの名所としてライギョやナマズ釣りに来ている人を見かけます。

ただ河口に近いので水は黄色く濁っていて当然底は見られません。

7月になるとフナなどの魚の稚魚が孵化して群れで泳いでいます。

永和駅東側の関西線の土手下の用水路は一年中水があるので、昔からメダカ、モツゴ、フナ、タナゴ、ヌマエビなどの何種類かの魚を見かけます。

フナは孵って間もないもので成魚になっていません。

そこで四手網を使って魚を捕ります。

この四手網はインターネットで購入したものです。

昔は釣り道具屋で売っていたものですが、今は全く見かけません。

なぜ売らなくなったのか分かっていません。

捕ったタナゴには繁殖期のものがいて、オスは婚姻色になって鱗の表面が青とピンクと緑の微妙な色合いの美しい姿になります。

小学生の今頃、庄内川の北にある川に魚捕りに行ったとき、はじめて婚姻色のタナゴを見かけました。

その色合いにびっくりして印象的に覚えています。

当時はその魚をセンペラと言っていました。

今考えるとニホンバラタナゴかイタセンパラ(今では天然記念物に指定)だったのかも知れません。

メスの中には産卵管を出して泳いでいるものがあります。

この蟹江周辺で見かけるタナゴはタイリクバラタナゴです。

このタナゴはドブガイなどイシガイ科に産卵します。

用水路でドブガイの死んだ殻は見かけるのですが、生きているものは見かけていません。

どこで産卵し孵化して毎年ここで見かけるのか今のところ謎です。

タイリクバラタナゴは1940年頃ソウギョやハクレンを関東に持ちこんだとき、種苗が一緒に入ってきて全国に広がっていきました。

またニホンバラタナゴと交雑できたことも増えてきた原因の1つのようです。

ニホンバラタナゴと産卵母貝が同一で繁殖力が大きいことから、結果的にニホンバラタナゴを駆逐してきたようです。

蟹江周辺ではニホンバラタナゴは見かけません。

タイリクバラタナゴとニホンバラタナゴでは、タイリクバラタナゴの腹ビレの先端が白い線になっているので区別できます。

トゲウオの仲間も同様ですが、この婚姻色の色合いの素晴らしさには圧倒されてしまいます。

皆さんも機会があれば是非ご覧いただきたいものです。

(コイ目 コイ科 バラタナゴ属)

カモ撮りこうちゃん