フヨウの花をよく見かけるようになった

フヨウという言葉には何か幻想的な感じがします。

1日で萎んでしまうという儚(はかな)さのイメージがあるからかも知れません。

そんな感じからか、石川さゆりの「風の盆恋歌」の歌詞の中にスイフヨウ(酔芙蓉)の言葉で出てきます。

一晩踊り明かす富山八尾地区の風の盆には、そのタイトルの小説やドラマ撮影をきっかけにして、家々でフヨウを育てるようになったと言われています。

東北に住んでいたとき、学校の校歌の歌詞にフヨウの名が出て来たり、福島県のある町を通ると何軒もの家の玄関先に大きな一輪のフヨウの鉢が出ているのを想い出します。

昔からその花の大きさや1日で萎んでしまう様子が、人生と重なって日本人には愛されていたのかも知れませんね。

スイフヨウは朝咲いて夕方に咲き終わる頃になるとハナビラが赤くなるところからつけられたと言われています。

このハナビラの変化は毎年庭で育てている同じアオイ科のワタの花でも同じ変化をしています。

萎む頃になるとハナビラの根元が薄く赤くなってくるのです。

スイフヨウは見たことがありませんが、多分似ているのだろうと推測しています。

フヨウはアオイ科のフヨウ属の落葉低木で5枚のハナビラを持ち、同じ仲間の韓国の国の花ムクゲと似ています。

ムクゲは立ち木で背が高くなりたくさんの花をつけますが、フヨウはまっすぐ伸びずに葉が大きくこんもりした感じになります。

またフヨウはメシベの先端が曲がっていることなどでムクゲと区別できます。

最近になって庭先で色々なフヨウを見かけるようになりました。

外国産のフヨウだと思われます。

園芸種のようですが、存在感もあり華やかなフヨウです。

これはこれで良いのかなと思っています。

数日前に町内を通ったら、庭先に大きなピンクのフヨウが咲いていました。

前年にも見かけていたのですが、昨年は写真に撮らず仕舞いだったのです。

その花は人の顔より大きいほどでした。

一日でその花は萎んでしまいます。

翌日には他のツボミが咲き出して、毎日咲いているのを見られます。

皆さんの中にも、同じような大きなフヨウをご覧になっている人もいるのではないかと思われます。

でも昔の風情がなくなって来たようにも思われませんか。

(アオイ目 アオイ科 フヨウ属 落葉低木)

カモ撮りこうちゃん