コフキトンボの産卵の仕方には条件があるようだ

飛島村三福の金魚養殖池の跡地にはたくさんのコフキトンボが生息しています。

これほど多くのコフキトンボがいるところはこれまで経験したことがありません。

そのコフキトンボが交尾態になって離れると、メスがすぐ産卵し始めます。

その上空をオスがホバリングしながら警護します。

自分の子孫の産卵を確実にするためだと思われます。

でもこれほどの多くのコフキトンボがいると、他のオスがメスを奪おうと飛んできて、メスの産卵を妨害します。

ある場合にはメスが産卵中に絡み合って交尾態になり、連れて行ってしまいます。

見ているととても激しい攻防が繰り広げられます。

何回かメスが産卵しているのを見ているうちに、あることに気がつきました。

それは産卵中に水面の枯れ枝とか、網が水中に浸っているところに沿いながら産卵しているのです。

デタラメに水面を打って産卵するのではなく、そうした目印を利用して産卵しているようです。

飛翔しながら産卵する際、自由に産卵しているように思っていましたが、産卵場所を特定させているのではないかと思うようになりました。

コアジサシでもチョウゲンボウでも獲物を捕るときには、いったんホバリングしながら空中に停止します。

獲物にロックオンする必要があるようなのです。

それから水面や獲物に飛び込んでいきます。

このコフキトンボの産卵でも同じではないかと思われます。

どこに産卵するかを決める時、ある場所を特定してから産卵しているのではないかと思われるのです。

話はそれますが、幼稚園や小学校で子どもたちに自由に絵を描きなさいと言われても、なかなか描けない子どもたちがいます。

どこにどうやって書けばよいか分からないのです。

ずいぶん昔宇都宮の柿の木幼稚園で実物のニワトリ、クワガタ、ノコギリやザリガニを傍に置いて絵を描く保育をやっていました。

そのとき1枚の画用紙に収まらない場合には、その部分に画用紙を足して絵を描くようにしていたのです。

1枚の画用紙に絵を纏めて描く能力は、そうしたことを何度も繰り返してからできるのではないかと思われます。

羽化して時間が経っていないコフキトンボは、自由に産卵する場所を決めるための学習する時間も能力もないと思われるので、産卵する目印になるものを利用して産卵している可能性があります。

自由に水面上を産卵しているように見えるコフキトンボですが、どうもそうではないのではないかと思うようになりました。

これが本当のことか、もう少し観察を続けてみようかと思っています。

(トンボ科 コフキトンボ)

カモ撮りこうちゃん