蟹江でカラスビシャクを見つけて驚いた! その1

カラスビシャクはマムシグサと同様に仏炎苞(ぶつえんほう)をつけるサトイモ科の仲間です。

マムシグサが何か奇怪な感じがするのに、カラスビシャクはほっそりしていて優しい感じです。

サトイモ科のうちでは一番小さいのではないかと思われます。

天童にいたときに、天童高校の裏手の丘の叢で初めて見かけました。

群生せずにぽつぽつと生えていました。

仏炎苞と、仏炎苞にある棒状の肉穂花序の先端部が長く伸びて長い髭のようになっているのが特長でとても印象に残ります。

当時住んでいたアパートの下の畑の叢でも見かけました。

よく探してみると東北ではありきたりの植物のようでした。

また東北だけに多いだろうと思っていたのでした。

蟹江に戻って、4年ほど色々な場所を歩き回っていますがカラスビシャクを見たことがありませんでした。

ところが昨日新大井橋の善太川の土手を歩いていたら、偶然カラスビシャクを見かけました。

群生して生えていたのです。

とても驚きました。

この地方には生えないと思い込んでいたからです。

そこで何枚か写真を撮りました。

カラスビシャクは、種だけでなく塊茎やムカゴでも増えていきます。

どの植物も色々な戦略で増えていきますが、塊茎とムカゴは親と同じ遺伝子なのに、種は有性生殖で他の遺伝子を取り込んでいます。

ここでも2段構えの繁殖戦略を採っているのですね。

私はまだムカゴを実際に見ていません。

この土手のカラスビシャクを少し観察して、ムカゴを見てみたいものだと考えています。

この2段構えの戦略によって繁殖力が強く、農家の人たちには畑の害草として困った存在になっています。

今は除草剤を散布すれば、塊茎までも枯らせるので、困った存在というほどではないのではと思われます。

このカラスビシャクは別名半夏(ハンゲ)とも言われ、半夏生の時期に生えるからだと言われています。

旧暦の24節季の夏至から小暑の間なのですが、今では太陽暦の7月初めを指しているようです。

また半夏(はんげ)は塊茎の皮を除いて生薬としても使われています。

鼻炎、気管支炎や消化不良などの改善効果があるようです。

昔の人は植物の薬効を調べて利用していたのですね。

生薬のほとんどは即効性というよりは遅効性だと思われます。

(サトイモ科 ハンゲ属)

カモ撮りこうちゃん